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2019.11.09 16:00  マネーポストWEB

Zepp反対騒動で考慮したい“近くにスーパーがあるとんでもない利便性”

家の近くにスーパーがあるとどれほど便利なのか?(イメージ)

 西松建設が石川県のJR北陸線西金沢駅前にライブホールのZeppを誘致し、住人が反対する事態となっている。敷地から道をひとつ隔てれば住宅街になっているだけに、住民は静かな住環境が乱されることや治安の悪化を懸念するが、彼らが反対する理由のひとつに「元々スーパーができると聞いてこの家を買った」というものがある。今回の反対運動にネットニュース編集者の中川淳一郎氏は理解を示す。なぜなら過去に各地のZeppで仕事をしたことと、近くにスーパーがあることの利点を日々感じているからだという。以下、中川氏が考察する。

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 この件がニュースになった時、ネットでは「これだから若者が出ていってしまう」「子供をダシに反対している」「ライブハウスで治安が悪化するかよw」「田舎の人間は心が狭いな」みたいな意見が多数書き込まれていました。

 しかし、実際に現地をテレビで見ると、その反対理由も理解できるんですよね。テレビの取材対象者に小さい子供を持つ若い人が多かったというのもあり、酔っ払った人々が嬌声をあげている環境は親心としては嬉しくないことでしょう。

 さらに、「出待ち」でファンがたむろして大声をあげたり、Zeppの客を見越して作られたコンビニの駐車場で酔っ払いが酒盛りをしたりもするかもしれない。えぇ、私は渋谷で毎年ハロウィンの時にこれに似た状況に遭遇しているのでよく分かります。さらに、ライブ開催前~終了後、JR北陸本線の上り・下りとも電車が1時間に2~4本しかないんですよ。帰宅時間にぶつかってしまう勤め人・学生からすれば、これまでに経験したことのないような満員電車に乗らなくてはいけなくなるかもしれない。

 約1300人が入れるライブホールで年間200回稼働することが見込まれているという報道もありましたが、確かに現地の状況を見ると反対するのは分かるな、と思いました。私はかつて広告代理店の社員だった時に、小室哲哉氏率いるglobeの全盛期に全国のZeppを一緒に周るという仕事をしたことがあります。日本コカ・コーラがglobeのZeppツアーのキャンペーンをやったので、そのお手伝いでした。

 現在全国に7か所(東京・大阪はともに2か所)あるZeppですが、その時行ったのは東京、大阪、福岡、札幌でした。いずれも住宅街にはありませんでした。商業施設やビジネス街のような場所にあったため、自然に受け入れられていたように感じられます。一方、住宅街に突如としてライブホール計画が出てきただけに西金沢の住民は困っているのでしょう。そしてZeppの側にしても、西松建設から誘致を受けただけで困惑している様も見えます。

◆何でも買える利便性はコンビニの比ではない

 今回の件に関しては、今後の推移を見守る必要がありますが、ここでは「目と鼻の先にスーパーがあるとんでもない利便性」について考えます。地域住民がしきりと「本来はスーパーができるはずだったのに……」と発言していたからです。

 私もこれまで何度かコンビニから近い家に住んだことはあります。しかし、スーパーってのは別格なんですよ。何しろ安い。たとえば、コンビニでは286円する500mlの缶ビールが248円だったり、63円するモヤシが28円だったりします。コンビニでは140円のナショナルブランド(PBではない)の500mlペットボトル飲料が93円で買えたりもします。

 福神漬けも無着色で300g入ったものが180円ぐらいで買えます。その日のおかずに迷っても、「野菜→魚→肉→玉子→練り物→納豆やコンニャク、漬物等のサブ的商品→チーズ」というスーパーの導線を進んでいけば、それなりに食べたいものが決まっていきます。

 あと、たまたま私は24時間営業のスーパーの近くに住んでいるのですが、サッカーW杯の日本代表戦なんかがやっている時、時差の関係で朝4時に「ビールが足りなくなった!」とハーフタイムに買いに行くわけです。すると、レジの店員は「あれ、ワールドカップ見ていないんですか?」「今、ハーフタイムです!」「で、今日本勝ってますか!?」なんて話しかけてくれ、「勝ってますよ。○○選手が調子いいです!」みたいな会話にも繋がり、以後仲良くなったりもしました。

 ホームパーティをやる時も、家に来る方々は必ずスーパーでビールやチーズ等のお土産を買ってきてくれる。台風が来た時だって、開店していたらすぐに食料を買い込める。豚肉の生姜焼きを作ろうとしていたものの、ついついタマネギがないことに気付いたらすぐに買える。突如として「ちゃんぽんが食べたい!」と思ってもちゃんぽんが売っているし、カマボコや豚肉、シーフードミックスも売っている。コンビニと比べて選択肢が非常に幅広いのです。

 スーパーがいつも自分の近くに寄り添ってくれている──こう考えるだけで、今払っている家賃には納得できます。元々スーパーがある前提で選んだ住まいではなかったのですが、入居1か月後にこのスーパーができたことは本当に幸運でした。これだけの利便性があることを期待していた西金沢の住人の皆さんの心境を理解するとともに、Zeppのこともそこまで叩かないでほしいな、と思います。

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