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2019.11.19 13:23  産経ニュース

日産、ルノーとの関係修復と業績改善が最大の課題 ゴーン逮捕1年

日産、ルノーとの関係修復と業績改善が最大の課題 ゴーン逮捕1年

 日産自動車会長(当時)、カルロス・ゴーン被告が金融商品取引法違反容疑で逮捕されてから、19日で1年がたった。西川(さいかわ)広人氏の辞任でこの日を社長空席で迎えたことが象徴するように、ゴーン被告が日産で事実上のトップを務めた約20年間に醸成されながら、在任中は押さえ込まれていた数々の問題が噴出した形だ。12月1日に発足する新経営体制には、企業連合のパートナーである仏ルノーとの関係修復や、悪化した業績の改善が大きな課題だが、道のりは険しい。(高橋寛次、今村義丈)

 「日産を新しい時代に導けることを誇りに思う。これまでの経験を生かし、事業と信頼の回復を目指す」。新社長に就く内田誠専務執行役員は中国の現地法人トップを務めているため、内定後もほとんど、日本で姿を見せていない。だが、10月22日に横浜市の本社で開催されたイベントでサプライズ登壇し、こうあいさつした。

 53歳の内田氏に対し、「若い感覚による経営に期待したい」(日産関係者)との声が上がるが、ある日産OBは、日商岩井(現双日)出身の内田氏の昇格について、「ゴーン時代の20年間でいかに人材を育てていなかったかということ。危機的な状況だ」と指摘する。ゴーン被告が長期にわたって“君臨”したため、西川氏や6月に取締役を退任した志賀俊之・元最高執行責任者(COO)ら、ゴーン被告と同年代の幹部が15年以上も役員を務め、主要な経営幹部の入れ替わりが少なかったのは確かだ。

 業績不振は深刻さを増している。令和元年9月中間連結決算で、本業のもうけを示す営業利益は前年同期比85・0%減の316億円。売上高に占める比率(営業利益率)は0・6%に過ぎず、トヨタ自動車の9・2%と比べれば「稼ぐ力」の低さは一目瞭然だ。登録車(軽自動車を除く)の国内販売では昨年12月以降、11カ月連続で前年を下回っており、事件によるイメージ悪化の影響も否定できない。西川氏の事業構造改革計画も「抜本的ではない」(アナリスト)との見方が強く、新体制が懸念を払拭できるかが問われる。

 再生にはルノーとの協業も重要になる。日産とルノーの会長職を兼務していたゴーン被告の“退場”後、両社の相互不信が表面化しており、いまだ新時代の協力関係が築けていない。企業連合の共同購買を担当していた内田氏はルノー側の信任も篤いようだが、関係者からは「くみしやすいと思われているのではないか」と懸念の声も。ルノーは日産が拒否し続けてきた経営統合を諦めていないとみられるが、「ルノーが日産を支配すれば共倒れになるだけ」(日産OB)との見方が強い。新経営陣には、硬軟織り交ぜた交渉力が求められそうだ。

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