芸能

映画界激震の「怒りの降板事件簿」 勝新太郎、菅原文太など

勝新太郎vs黒澤明のバトルは映画史に残る(時事通信フォト)

 来春スタートの朝ドラ『エール』の脚本家(林宏司氏)の降板がNHKから発表(11月5日)され、クランクイン前の降板に「異例の事態」と報じられているが、芸能史を振り返れば、世を騒がせた「降板劇」は数多い。

 例えば、映画界では超大物同士の衝突もあった。カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した黒澤明監督の『影武者』(1980年公開)で、主演の勝新太郎が、黒澤監督の怒りを買って降板を余儀なくされたのだ。当時を知る芸能レポーターの石川敏男氏が語る。

「黒澤監督は徹底的に細部まで自分の意図した絵を求めます。絵コンテの段階で勝新を想定して、細かく動きをイメージして撮影に臨んでいた。それに対して、勝新は“自分をどう撮るか”にいちいち口を出したいタイプ。黒澤監督からすると、これが面白くなかった」

 勝がリハーサルで台詞をそのまま言わず黒澤監督が激怒することも多々あったという。

「両者主張を譲らず、最後は黒澤監督が『オレの言うことが聞けないなら辞めてもらう』と、勝新を降ろしたんです」(石川氏)

 勝の後任に選ばれたのは仲代達矢。『影武者』は“世界のクロサワ”健在を世界に示す作品となったが、試写を見た勝は「俺がやっていたらもっと面白かった」と語っていたという。

 その黒澤監督にも、降板を強いられた苦い経験がある。日米合作映画『トラ・トラ・トラ!』(1970年公開)の製作に参加したが、スケジュールが大幅に遅れたため、撮影途中でアメリカの映画会社・20世紀フォックスに解任されてしまったのだ。

「黒澤さんの細部へのこだわりが強すぎたため、スタジオスタッフがストライキを起こすなど、禍根を残す降板劇となりました」(映画関係者)

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン