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コラム

2019.12.03 09:47  BOOK STAND

第79回 ウルトラマン、マーベルコミックの世界の”住人”へ!?

今年も開催された東京コミコン、クリス・ヘムズワースら大スターも参加し大盛況のうちに幕を閉じました。
こうした中、結構サプライズな発表がありました。

マーベルと円谷プロが手を組み、ウルトラマンのコミックをマーベルから出版する、というのです! 詳細は今後発表とのことです。
ここでいうマーベルはコミック部門の方で、従ってこの先の『アベンジャーズ』等の映画、つまりマーベル・シネマティック・ユニバースにウルトラマンが出る、とかそういうことでは(まだ)ないし、また今回のプロジェクトが限定的なものなのか、マーベル・コミックの世界の”住人”としてウルトラマンがどこまで登場するかはわかりません。
ただ個人的にはキャプテン・マーベルと一緒に宇宙を駆けるウルトラマンとか見てみたい気もします。

マーベルが日本のこうしたコンテンツをアメコミ化するのは初めてではありません。1977年にはゴジラをアメコミ化しています。この時は完全にマーベル・ユニバースの中の出来事としてゴジラを描いており、僕の持っているコミックのカバーではNYに上陸したゴジラをアベンジャーズがどう撃退するか話し合っているというものです。

また1979年には日本の巨大ロボ・アニメ「勇者ライディーン」「超電磁ロボ コン・バトラーV」「惑星ロボ ダンガードA」の3体がチームとなって戦う”ショーグン・ウォリアーズ”というシリーズが刊行されていました。
このころ日本の東映では特撮ドラマ版スパイダーマン(いわゆる東映スパイダーマン)を放送しましたから、日米でキャラの”交換留学”をしていたことになります。

なお東映スパイダーマンの世界は、アカデミー賞をとったアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』でも描かれた、”スパイダーバース(ある種のパラレル・ワールドで、その世界ごとのスパイダーマンがいる)”の1つとされ、『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編には東映スパイダーマンと彼が乗る巨大ロボット、レオパルドンが登場するそうです。
巨大ヒーロー、巨大怪獣、巨大ロボというのは日本ならではのコンテンツで、アメコミにはあまり登場しません。例えばマーベルの中でもアントマンが巨大化してジャイアントマンになりますが10mぐらいだったと思います。日本の場合、ウルトラマンとか軽く40mありますからね。

僕が今回発表された、マーベル版ウルトラマンの表紙アートを見て、これはいいなと、思ったのはウルトラマンとバルタン星人が描かれていたことです。ウルトラマンというのはヒーローもさることながら、実は怪獣たちが魅力の中心。特にウルトラマン、ウルトラセブンは怪獣や宇宙人が物語の主役で、ウルトラマンたちは狂言回し的ですよね。
ヒーロー=ウルトラマンからみれば、怪獣はヴィランなわけです。このヴィランが魅力というのはアメコミにも通じるものがあります。

マーベルではなくDCのキャラになりますが、バットマンのヴィランであるジョーカーを主役にした「ジョーカー」が大成功を納めたのもヴィランあってのアメコミということを改めて証明してくれたのかもしれません。
だから今度のマーベル版ウルトラマンには、ウルトラマンがどう描かれるか以上に、怪獣たちがどうヴィラン化されるかに注目しています。

というわけで、そうした怪獣たちに出会えるイベントが、いま開催されています。「かいじゅうのすみか 体感エンターテイメント」(~2020年1月26日(日)まで、東京ドームシティ ギャラリー アーモで開催)というもので、怪獣たちの棲む秘境に迷い込んだ、という設定で、様々な技術で再現された怪獣めぐりです。
“ジャン●ル・ク●ーズ”の動物が怪獣になり、そこにいま風のデジタル・アート・イベントの演出を取り入れた感じというとわかるかと思います。

怪獣が主役なのでウルトラマンとか出てきません(笑)。ウルトラマンや怪獣たちがマーベル・ファミリーになってブレイクする前にぜひ怪獣たちと会いにいってください。

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(文/杉山すぴ豊)

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