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我が子が暴力、相手の母の視線を気にしてその場で叱るべき?

おもちゃを奪いたい年頃の子も(イラスト/たばやん)

 栃木県足利市に“奇跡の保育園”と呼ばれる認可保育所がある。その名も「小俣幼児生活団」。園児は、自ら考え決断できる、自立した子供に育つと評判で、入園希望者が絶えない。この保育園で現役で働く、92才の保育士・大川繁子さんには保護者から質問が絶えない。32才主婦からはこんな質問が寄せられた。

「うちの3才の息子は、ほかの子供と遊んでいると、相手のおもちゃを奪ったり相手を叩いたりすることがあります。子供同士のけんかなので、放っておいた方がいいのかもしれませんが、相手の子の“母親の視線”が気になり、つい、その場で息子を厳しく叱ってしまいます。こういう時、どうしたらいいのでしょうか?」

 大川さんは保育現場での経験を踏まえてこう答える。

「欲しいものは取る、取られたら取り返す。これは3才児のいたって正常な発達。当園では、棒を振り回すなど危ないことは止めますが、基本的に子供同士のけんかは見守るようにしています。

 少々わんぱくな子も、そのうち仕返しをされたり年長の園児が注意してくれたりして、卒園する頃には落ち着いているケースが多いですね。大人が口を出さなければ、子供同士で解決するようになります。

 当園での大人の役割は警察官や裁判官ではなく、“カウンセラー”。たくさんけんかをしたり、その仲裁をしてきた卒園生たちは、小学校でも“けんかの仲裁が上手”といわれていますよ。

 もし、厳しく叱っても、“あの時は言いすぎてごめんね。おもちゃが欲しかったんだよね。でも、お友達をぶつのは、ママ悲しいな”と、フォローを入れてみて。子供に寄り添いながら、ママの気持ちを伝えることが大切よ」

※女性セブン2019年12月5・12日号

92才の現役保育士・大川繁子さん(写真/楠聖子)

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