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果物の夕方以降の摂取、太りやすく動脈硬化リスク高める

体にいいのでは?

 フルーツといえば健康にいいイメージが強いが、「摂り方」次第では逆効果になることもあるという。米ハーバード公衆衛生大学院の研究チームが18万7382人を24年間追跡した研究では、市販のフルーツジュースで「2型糖尿病」リスクが上昇するという結果が示された。元ハーバード大学研究員で、ボストン在住の内科医である大西睦子医師が指摘する。

「毎日1杯以上飲む人は、1週間に1杯未満しか飲まない人よりも糖尿病のリスクが21%増加していた。フルーツジュースは加工する過程で食物繊維が失われて、糖分の体内への吸収が早くなる恐れがあります。

 生のフルーツを食べるぶんには心血管疾患のリスクを低下させるとの研究がありますが、糖分の多いフルーツジュースを習慣的に飲むと糖尿病のリスクを高めてしまいます」

 ただし、生のフルーツも「食べる時間」が重要だと、健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏が指摘する。

「生のフルーツは果糖などの糖分を多く含みます。その栄養を体に取り込む際、肝臓で吸収され代謝処理されます。しかし、肝臓の働きは午前中に活発化し、夕方以降は働きが落ちてしまう。これは、食材を“いつ食べるべきか”を考察する『時間栄養学』という学問領域で明らかになっていることです。

 つまり、肝臓の働きが鈍っている夕方以降にフルーツを食べると、糖分が吸収しきれず、中性脂肪になってしまう。その結果、太りやすく動脈硬化などのリスクを高めてしまう可能性があります」

 栄養素が“食べる時間次第で無駄になる”可能性があることは念頭に置いておきたい。

肉、野菜、果物の病気・死亡リスク

※週刊ポスト2019年12月13日号

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