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元KARAク・ハラの自死で考える 韓国に蔓延る空気の正体

 韓国の歴史や伝統文化を顧みると、ク・ハラが自殺した動機の何割かを儒教文化に求めるのは、それほど見当違いではないだろう。ちなみに儒教の経典に以下のような記述がある。

「身体髪膚はこれを父母にうく。あえて毀傷せざるは孝のはじめなり」(『孝経』)

「父母がまったくしてこれを生み、子がまったくしてこれを帰すは孝というべし」(『小学』)

 つまり、親が大学合格のご褒美や成人、就職などのお祝いに整形費用を出してくれる風潮はあくまでカウンターカルチャーであって、整形を経験していない人にとっては、整形疑惑をかけられること自体が大変な屈辱であるわけだ。親不孝者と決めつけられたのも同然で、両親の面子を潰されたことにもなる。

 ただでさえ精神的に参っている人間に対し、畳みかけるようなバッシングを続ければどうなるか。「己れの欲せざる所、人に施す勿かれ」という『論語』の一節が心にしっかり刻まれていれば、傷口に塩を塗るような行為をしてはならないと自制心が働いて然るべきはずなのだが。

 芸能界に限らず、韓国の自殺率は経済協力開発機構(OECD)加盟国中最悪で、一昨年減ったかと思えば、2018年はリトアニアを抑えて再び自殺率1位に返り咲いた。人口10万人あたりの自殺者数はOECD平均(11.5人)の2倍以上(26.6人)。38分間に1人が自殺している計算になる。

 国連加盟国全体を見ても、韓国の自殺率の高さはワースト10位前後。内戦下や国民の大半が飢餓線以下にあるならともかく、そうでない国としては異常な高さで、経済の低迷や芸能界の闇といった言葉で片づけられない問題があると言わざるをえない。

 統計上の宗教区分では、キリスト教の信者が1位、仏教が2位となっているが、社会の底辺には儒教、それも朱子学の教えがいまだ根強くあることから、それとの関係性を無視するわけにはいかない。近代中国の文豪・魯迅が儒教を「人が人を食らう」教えとして痛烈な批判を浴びせたように、儒教は現代社会において正負の二面性を有している。

 また孔子の教えと儒教はイコールではなく、何よりも思いやりの大切さを説く孔子とは異なり、正邪の区別をはっきりさせる朱子学であればなおさらである。使いようによって、良薬にも毒薬にもなりうる取扱注意の代物なのだ。

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