マネー

年金改正 妻の働き方とライフスタイルで変わる受給パターン

「60歳繰り上げ」で変わる夫婦の年金額3パターン

「60歳繰り上げ」で変わる夫婦の年金額3パターン

 今回の年金改正によって、繰り上げ受給時の年金減額率の引き下げ、在職老齢年金の見直し(65歳未満の低所得者在職老齢年金の年金カットの基準を28万円から47万円に引き上げ)、さらには繰り下げ受給の年齢上限を75歳へと引き上げることが検討されている。

「繰り上げ」と「繰り下げ」が年金受給のメリットを広げるのに有効な選択肢となるが、それを最大限生かすのが夫婦それぞれの「繰り上げ」「繰り下げ」の組み合わせだ。

 メリットを引き出せるかは、夫婦の働き方や人生プランによっても違う。夫婦のライフスタイル別に選択のポイントを見ていこう。

「早くリタイアして親の面倒を見たい」→夫婦とも繰り上げ

「年老いた親の面倒を見たい。定年後は早めに故郷に戻って実家で暮らそう」──そういうケースは「夫婦とも繰り上げ」を選ぶ方法がある。

 夫婦の年金額は「共稼ぎ」なら約22万円、「妻が専業主婦」なら約16.7万円と少なくなるが、60歳なら故郷での再就職も可能で、実家に住むのであれば、住んでいたマンションを賃貸に出すなど他の収入も見込める。

「定年後の住宅ローンの残債が苦しい」→妻だけ繰り上げ

 夫は定年後、再雇用で働いているが、給料は現役時代より大きく下がった。妻(3号被保険者)もパートに出ているが、住宅ローンの残債が残っており、生活費が足りない。しかし、老後の蓄えとして貯金している退職金は取り崩したくない。

 このタイプの夫婦はサラリーマンの夫の年金が老後の生活の柱になる。

 そこで、妻の基礎年金(約6万円)だけを60歳から繰り上げ受給(4.5万円に減額)し、生活費の足しにしながら夫の年金は温存するという方法が有効だ(別掲図のBさん夫婦)。このやり方であれば、65歳からは夫の年金を満額受給できるため、夫婦の合計年金額はそれほど減らさずに済む。

 実際に繰り上げを選んでいるケースで最も多いのが「妻の基礎年金(国民年金)繰り上げ」のパターンだ。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。