しかし、業務の効率化をはかるなら、ハンコを押すフローをやめて電子化するほうがいいのではないか。

「ネットでの反響も見ていますので、そういった反応をされる方が多いのは承知しています(笑)。共同で開発した日立システムズさんは紙の書類をやめてフルで電子化するソリューションも提供されていますが、ビジネスの現場では簡単には押印をなくせない、さまざまな事情があります。現実にある課題を解決するためのアプローチの一つとして提供したいと考えています」(デンソーウェーブ広報部)

 現実に、商業登記法や戸籍法、手形法など、紙の書類への押印を義務付ける法律は多数あり、法改正しない限り、ハンコを廃止できない業界は存在する。それゆえに同社では顧客層として金融業界や自治体を想定しているという。

 しかし、想像してみてほしい。係長用ロボット、課長用ロボット、部長用ロボット、取締役用ロボット、社長用ロボットがずらりと並び、稟議書を渡すと左から右へ順番に受け渡しながらハンコを押していく、しかも印影が上司におじぎをしているようにちょっと傾けてハンコを押していくというシステムを。ヒラ社員にとっては夢のシステムではないか。ただ、もし本当にそこまでいったら、さすがに「ハンコはもうやめよう」って話になりそうだ。

●取材・文/清水典之(フリーライター)

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