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2019.12.26 07:00  SUUMOジャーナル

テレワークが変えた暮らし[3]引越し先の「共用部」がもう一つの仕事場に。働く意味を再発見

(写真撮影/片山貴博)

昨今、オフィス以外の場所で仕事をするテレワーク(リモートワーク)を導入する企業が増えていますが、テレワークしやすい「住まい」も登場し、支持を集めています。今回はワーキングラウンジなどが充実した「ソーシャルアパートメント」で暮らし、テレワークに取り組む人とそのリアルな声をご紹介します。連載【職住融合 ~テレワークが変えた暮らし~】
時間や場所にとらわれない柔軟な働き方、テレワーク(リモートワーク)が普及し、暮らし方も多様化しています。自宅の一部をオフィス仕様にする「家なかオフィス化」や、街の中で仕事する「街なかオフィス化」、そして通勤に縛られない「街選びの自由化」など。SUUMOではテレワークを前提とした家選びや街選びの潮流を「職住融合」と名付け、その暮らしをシリーズで紹介していきます。寮をリノベ。144世帯が暮らす「ソーシャルアパートメント」2019年9月、完成したばかりのソーシャルアパートメント「ネイバーズ武蔵中原」に引越してきた前田彰さん。東京都・渋谷のIT企業勤務で、現在週1回、リモートワークをしています。

2019年9月に誕生した「ネイバーズ武蔵中原」。全144世帯)、現在満室(写真撮影/片山貴博)

「以前は板橋のシェアハウスから毎日、満員電車に乗って通勤していました。転居を考えていたほぼ同時期に、会社でもリモートワークを導入することになり、自分もテレワークをはじめてみようと。共用部が充実したソーシャルアパートメントの存在は以前から気になっていたので、本当にタイミングがよかったです」と振り返ります。

「ソーシャルアパートメント」は、通常のシェアハウスと異なり、共用部での入居者同士の交流を楽しめる「仕掛け」がなされている住まいのこと。トイレやバス、キッチンは定期的に清掃が入り、清潔に保たれています。
また、こちらの物件は、キッチンに加えて、シアタールームやバー、防音室などの共用設備も充実しています。なかでも、前田さんのお気に入りはワーキングラウンジ。

ワーキングラウンジで。このソファのすみっこが前田さんのお気に入り(写真撮影/片山貴博)

「僕が仕事しているのはこのスペース。まさにこのソファです。仕事終わりでも部屋に帰らず、ココに立ち寄ってブログを書いたりしているので、自分の指定席のような感じですね」と笑います。この「ネイバーズ武蔵中原」は144世帯と大所帯なので住人全員と交流があるわけではありませんが、ここにいると知っている人を介して、会話がはずむこともあるそう。

「ワーキングラウンジにも2種類あるんですが、自分はこのソファ派です。部屋にソファがないというのもありますし、部屋にいるとダラダラしてしまうので、ほどよく人の目があるココが落ち着くんですよね」といいます。

もう一つのワーキングラウンジ。こちらは椅子席が中心。自習室のようなたたずまいで仕事もはかどりそう(写真撮影/片山貴博)

バーラウンジにはダーツやビリヤード台も。奥にはシアタールームもある(写真撮影/片山貴博)

調理や食は入居者同士の交流を生み出す大切なポイント。大型キッチンにはレアな調理家電が並び、自然と距離を縮められるような配慮も(写真撮影/片山貴博)

心地よい場所があることで、「テレワークのほうが作業に集中できる」 前田さんがテレワークをはじめてみて3カ月あまり。率直な感想を聞いてみました。

「現在、会社では週1回のテレワーク、11時~16時のコアタイム制を導入しています。会社までの通勤は乗り換え1回、時間にして片道40分程度なのですが、通勤の義務がなくなるだけでも、ストレスは軽くなるなと思いました。テレワークをしてみると、オフィスで働く意味ってなんだろうって考えるようになりますよね(笑)」と心地よいよう。

ワーキングラウンジでは、前田さん以外にも仕事をする人の姿も(写真撮影/片山貴博)

特に前田さんはお気に入りの「ワーキングラウンジ」はオフィスよりも集中でき、仕事が捗ると感じることも。

「作業が詰まっているときは、僕はテレワークのほうがよいと思いました。会社だとどうしても話しかけられたりするので、集中できない。でも、自分の部屋だとだらけてしまう。一方で、例えばカフェなどだと、他人の声や仕草が気になってしまって気が散ってしまう。このワーキングラウンジは音や椅子、周囲の人も含めて、ちょうどよいのだと思います」

ほかにも、オフィスではよいアイデアが思いつかなかったものの、仕切り直しで持ち帰り、ワーキングラウンジで仕事を終わらせた、なんていうこともあったそう。一回休憩をはさむことでリフレッシュでき、持ち帰り仕事も負担にならないといいます。これも会社と自宅にほどよい「場所」がある良さと言えそうです。

大型のラウンジ。カウンター席やテーブル席、ソファ席などが用意され、気分にあわせて使いわけることができそう(写真撮影:片山貴博)

暮らすのも働くのもシームレス。だから心地よいことが大事一方で、週5日を完全にテレワークにしてしまうのは、ちょっと不安もあるといいます。

「仕事が詰まっていないとき、余裕がある時期はオフィスで働くほうがいいと思いました。やっぱりリモートワークは自分次第なので、少しでもゆるさがあるとだらけてしまう怖さがあります。あと、雑談から次のアイデアが生まれることもありますし、スタッフ同士の温度感など、得られるものは多い。リモートワーク可能な日を週2日~3日ともう少し増やすかもしれませんが、今はほどよいペースを見極めている状態かもしれません」(前田さん)。

心地よい屋上。開放的な空間で気持ちもリフレッシュできる(写真撮影/片山貴博)

前田さんが出社するときは朝9時30分に自宅を出て、帰宅はおよそ20時。とはいえ、前述の通り、自室に帰らず、ラウンジで作業していることが多いそう。
「働くのも暮らすのもシームレスで、分かれていない。すべて延長線上にあります。そういう意味で、今の暮らしがちょうどいい。心地よい場所があるって、とても大事だと思っています」

暮らすことも働くことも、「どれも毎日の一つ」と考える前田さん。ゆえに、どこで暮らすか、どのように働くかが同じくらい大切なのかもしれません。

「私の勤める会社でもテレワークの満足度は高いようですし、今、探りながら進めているところです」と話す通り、「ネイバーズ武蔵中原」は、今140世帯超の部屋が満室で、テレワークをする人も少なくないといいます。

また、友人にリモートワークやフレックスタイム制の話をすると、たいていの人が「いいな~」と返ってくるそう。自宅や会社以外の場所があり、そこで柔軟に働くことができれば、より仕事にも打ち込める。こうした働き方、住まい方は着実に社会に広がっていくことでしょう。

●取材協力
ネイバーズ武蔵中原
(嘉屋 恭子)

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