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2020.01.08 07:00  SUUMOジャーナル

賃貸住宅の建物や入居者の管理は誰がする?入居者、家主、管理業者とのトラブルは?

(画像提供/PIXTA)

賃貸住宅に住んでいる場合、家賃の支払い状況を確認したり、設備機器の故障に対応したりと、入居者や建物を管理する存在が必要だ。ところが、「誰が管理しているか分からない」という入居者が、約1割もいるという。調査結果から、賃貸住宅の管理の実態について詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「賃貸住宅管理業務に関するアンケート」を公表/国土交通省ご存じですか?住んでいる賃貸住宅を誰が管理している?国土交通省の「賃貸住宅管理業務に関するアンケート」は、賃貸住宅管理業者と家主・入居者とのトラブルなどの実態を調べるために調査したもの。賃貸住宅管理業者、家主、入居者の三者に調査している。

調査結果で驚いたのは、入居者の中には、賃貸住宅を誰が管理しているか知らない人がいるということだ。入居者に「あなたがお住まいの賃貸住宅を管理している管理者(管理業者)をご存知ですか」と聞いたところ、結果は【画像1】のようになった。

「専門業者が賃貸住宅の管理をしており、業者名も知っている」、「家主が自ら賃貸住宅の管理をしている」と、管理者を分かっている入居者は4分の3に達する。かたや、「専門業者が賃貸住宅の管理をしているが、業者名は分からない」が13.5%だったが、業者名が分からないのは、契約書などで調べれば分かるのでまだよいほうだ。「誰が賃貸住宅の管理をしているか分からない」人が9.4%と約1割もおり、「そもそも賃貸住宅の管理の意味が分からない」人も2.3%いた。

居住中の賃貸住宅の管理者の把握状況(対象:入居者)(出典/国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート」より転載)

ちなみに、調査では「賃貸住宅の管理とは、家主から委託を受けて家賃や敷金の受領を行うほか、契約の更新、契約終了時の資金の精算や、入居中の設備の修繕や共用部分の清掃、入居者からの相談などにも対応するもの」という説明が添えられている。

賃貸住宅の管理は、家主がする場合も、委託した管理業者がする場合もある入居者への調査結果【画像1】でも分かるように、賃貸住宅の管理は、家主が自らする場合もあれば、管理業者に委託している場合もある。家主への調査結果から、その状況を見てみよう。

「所有している賃貸住宅の入居者募集や契約、入居中の管理はどのように行っていますか」と家主に聞いた結果が、【画像2】の通りだ。

所有する賃貸住宅の入居者募集や契約、入居中の管理方法(対象:家主)(出典/国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート」より転載)

家主が「全て自ら管理している」(18.5%)のは 2 割近く。「入居者募集から契約までを業者に委託し、それ以外の管理は自ら行っている」が25.5%と、入居中の管理を家主が自ら行っている場合も多い。一方、過半数は、管理の一部または全てを業者に委託していることが分かる。

一般的には「入居者募集から契約まで」は仲介を行う業者が、「入居以降や更新時の契約、退去まで」は管理を行う業者が担当するが、どちらも行っている業者が多いので、家主が「入居者募集と賃貸住宅管理を同一の業者に委託している」割合は92.1%とかなり高くなっている。

では、どういった管理業務を業者に委託しているのだろうか。賃貸住宅(サブリース以外)の管理の実施者を聞いたのが、【画像3】だ。「入居時の契約支援」や「賃貸借契約の更新」、「敷金精算・原状回復」など、契約や退去に関する業務を委託している場合が多いようだ。「家賃督促」、「入居者からの苦情対応」、「建物・設備の維持管理・点検・修繕等」も委託している割合が高い。一方、「修繕積立金の管理」や「賃料等の集金」、「入居者からの苦情対応」、「空室管理」は家主が自ら行う割合が比較的高かった。

管理業務の実施内容と実施者(対象:家主)(出典/国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート」より転載)

入居者、家主、管理業者が感じる不満・トラブルは?では、不満やトラブルについて見ていこう。

まず、入居者に居住中の管理に関する不満の有無(単一回答)を聞くと、「不満を持ったことがある」は44.5%。不満を持った内容については、以下が特に多いTOP3だった。
「建物の清掃等手入れが不十分」(37.7%)
「そもそも家主や管理業者が何をどこまで対応してくれるのか不明確」(33.3%)
「トラブル発生時の対応が遅い」(30.4%)

次に、入居中や契約更新時、退去時等のトラブルの有無(単一回答)を聞くと、「トラブルを経験したことがある」が 30.3%。経験したトラブルの内容については、以下が特に多いTOP2だった。
「水もれや設備の故障等修繕の必要性が発生した際、対応に著しく時間がかかった」(29.8%)
「入居者同士でのトラブルが発生した」(23.4%)

今度は、家主に入居者とのトラブルの有無(複数回答)を聞くと、半数近くは「特にトラブルはない」(47.9%)と答えた。経験したトラブルでは、以下が特に多いTOP2だった。
「滞納家賃が発生し、家賃が適切に入金されない」(23.6%)
「入居者からの修繕などの要望対応に手間やお金がかかる」(18.9%)

さらに、賃貸住宅の管理業者に「受託管理している賃貸住宅で発生しているトラブルで対応が困難なもの」(複数回答)を聞くと、最も多いのが「借主間・近隣住民との間の苦情対応」(52.3%)だった。入居者相互、あるいは近隣住民との苦情については対応が難しいと考えている事業者が多いようだ。

次いで、「退去時の原状回復の箇所や費用負担に係る家主・借主との協議」(41.9%)、「借主に対する家賃の督促」(32.5%)、「修繕の箇所や費用負担に係る家主・借主との協議」(31.0%)が続き、入居者と家主との間の意見調整や、家主同様に家賃滞納の督促に困難さを感じていることが分かる。

さて、見てきたように、家賃の督促や故障・修繕の対応、他の入居者への苦情、家主との費用分担など、広範囲に重要な問題が生じた場合、誰に相談すればよいのか、どう対処してくれるのか、は賃貸住宅に住むうえで極めて重要なことだ。

賃貸住宅を決める際には、管理者が誰で、どれだけ管理実績があるかなども確認しておくことが必要だ。間違っても、入居している賃貸住宅を誰が管理しているか分からない、といったことのないようにしてほしい。

(山本 久美子)

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