「肌の衰えのように目に見えるわけではなく、血管が破れたり詰まったりするまで痛みを感じにくいのが特徴です。血管の老化は知らないうちに進行するため、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中を発症するケースが多い。一度血管系の疾患が発症すると麻痺や認知症が残ることも少なくない。これらの疾患は運よく助かっても再発リスクも高く、健康寿命に大きく影響します」
全身に張り巡らされた血管が、いつ死を招く爆弾に変わるか―そんな恐怖に怯えながら暮らす前に、できることがある。それが自分の「血管年齢」を知ることだ。
「その名の通り、血管の老化の進行具合を年齢で示したものです。血管年齢の高さと病気の罹患リスクは関連性が高いと考えて良い。まずは自身の血管年齢を把握することが大切です」
自分の血管年齢を知る目安となるのが、別掲した「血管年齢チェックリスト」である。12のチェック項目ごとにリスク度を足していくと、「年相応」「実年齢より10歳以上老化」「実年齢より20歳以上老化」の3パターンを診断できる。
「リスク度の合計値が9以上の方は、一度病院で精密な検査を受けた方が良い」と、チェックシートを作成した池谷医師は話す。脈が血管内を伝わる速度を算出する『脈波伝播速度検査』や、血管内部を超音波で診断する『頸動脈エコー検査』を受ければ、より詳細な血管の老化具合が分かる。
※週刊ポスト2020年1月17・24日号