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2020.01.17 10:00  たまGoo!

将来はデジタル教科書が主流に?デジタル教科書のメリットデメリット

将来はデジタル教科書が主流に?デジタル教科書のメリットデメリット

小学生のランドセルは教科書やノートでぱんぱんです。あまりの重さに「教科書を全部データ化すればいいのに」と思っている保護者も多いのでは?実際に教育現場では、デジタル教科書の構想が進んでいます。現場の使用状況や、メリットデメリットについて情報をまとめました。

デジタル教科書の使用状況

文部科学省の規定するデジタル教科書は、「小型のタブレットに紙の教科書情報がインプットされている電子教科書」です。同省は、平成31年4月に「学習者用デジタル教科書の制度化」を決定した法改正を行いました。最終的には、すべての小学校でタブレット端末を導入し、活用されることを目標としています。

小学校では約5割で導入済み

現在、多くの小学校ではICT教育の一環として、タブレットや電子黒板を使った授業が行われています。文部科学省の調査によれば、平成30年の時点でデジタル教科書の導入率は、小学校で52・1%、中学校で58・2%、高等学校で12・5%となっています。約5割の小学校で導入されていると聞いて、「うちの子はまだ教科書いっぱい持って学校に行っているけれど・・・」と疑問に思った方もいるでしょう。この調査でいう「デジタル教科書」は学校教科書に準拠した、指導用のデジタル教科書のことです。教室でひとりひとりタブレットを持ち、家にも持ち帰って学習するという使い方ではありません。しかし、いずれはこのような形でデジタル教科書を利用するのが理想ですね。

教科書会社が使用をサポート

デジタル教科書は、教科書検定を通った紙媒体の教科書をデジタル端末にインプットしたものです。学校の先生が使っている指導用のデジタル教科書は、各出版社が作成しています。もちろん、紙の情報をPDFにしてとりこんでいるだけのものではありません。教科書内の図版を回転させたり、切り取ったり、拡大、縮小、音声のアウトプット、さらに詳しい情報へのアクセスなど、さまざまに展開できるデータを組み込んでいます。授業への応用や使い方なども、専用サイトを作ってサポートする体制が作られています。国語や算数といった主要教科はもちろん、家庭科や書写の教科書もデジタル化されています。誰でもアクセスできますので、のぞいてみてください。

デジタル教科書のメリット

デジタル教科書を導入することは、子どもたちにとって大きなメリットがあります。スマートフォンやタブレットなどが一般家庭にも普及し、生まれたときから情報機器がある時代に生まれたデジタルネーティブ世代にとっては、デジタル化は当然の流れかもしれません。

授業の理解が深まる

教科書がデジタル化すると、情報量が格段に増えます。しかも、文字を読むのではなく、視覚・聴覚を使って感覚的に理解できることが多くなります。例えば、図形の展開図を考えてみましょう。平面に展開された図が、どのように立体化するのか?授業のなかで、実際に図面を起こして立体を作った経験がある方もいるでしょう。デジタル教科書では、タッチひとつで立体化していく過程を目で見ることができます。もちろん、手を動かして学ぶ過程を軽視するわけではありませんが、要所で学び方を選択することが簡単になるでしょう。音楽や英語の発音も、耳で聞いて学ぶことができます。学習障害や視覚障害を持った子どものサポートも容易です。

ランドセルが軽くなる

現段階では、先生が使うだけになっているデジタル教科書ですが、いずれひとり1台のタブレットを持つようになれば、学校へ持っていく荷物がほとんどなくなります。平均6キロ近いランドセルの重さが、タブレットとタッチペン、体操服と絵の具箱程度になるわけです。子どもの発育にも悪影響が心配されている重さ問題も解決します。端末機は高価ですから、なかなか家に持ち帰るようにはならないかもしれませんが、もし許可されれば、家庭学習の効率もあがります。いずれは、夜遅く学習塾に通う必要がなくなる可能性もありますね。

デジタル教科書のデメリット

よいことばかりに感じますが、デジタル教科書を導入するデメリットも想定されています。タブレット機器がまだ高価であることも当面の問題です。損傷した際の保険や、ネット環境のフィルタリングなど、子どもたちに自由に使わせるには、まだまだ整備が必要でしょう。

視力の低下をまねく

デジタル教科書が恒常的に利用されることになると、心配なのは子どもたちの視力です。モニターをずっと見続けることになるので、視力が低下するおそれがあると心配されています。実際に、2019年夏に慶應義塾大学医学部の調査で、小中学生の近視が増加傾向にあるという報告がなされています。調査対象となった都内1400名のうち、小学校1年生では6割の子どもが近視であったということです。近視は、遺伝の影響がもっとも大きいのですが、近くのものを見続けることが近視の原因になることも広く知られています。導入を考えるうえで、健康上の問題が大きなデメリットです。

指導者の習熟度で授業格差が生まれる

デジタル教科書は、ただ単に紙の教科書をデジタルに移行しただけのものではありません。非常に有効なデータが詰まったツールなのですが、かといってAI(人工知能)が搭載されているわけでもなく、自動学習できるプログラムが組まれているわけでもなく、使い方は指導者次第という側面があります。導入したからといって、自動的に授業が面白くなるわけではなく、先生の習熟度や、そもそもの授業展開の技術によっても差が出てしまいます。この差は、デジタル教科書でない現在でもあることなのですが、使える先生と使えない先生では格差が広がるおそれがあります。

おわりに

デジタル教科書は、大変便利なものです。これから、各教科書会社の開発努力でますますよいものができていくだろうと予想されます。ハンディのある子どもたちに対しても、よりよい使い方ができるでしょう。教材を効果的に使うためには、指導力のある先生とデジタル教材を使いこなせる先生が協力して授業を行うなど、授業の在り方や学校運営にも制度改革が必要ではないでしょうか。文科省の対応に期待したいところです。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。

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