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2020.01.17 16:00  マネーポストWEB

高齢ドライバーへの運転制限は必要か否か? 専門家の見解は

高齢ドライバーに運転制限は必要か否か?

 高齢ドライバーによるブレーキとアクセルの踏み間違い事故なども多発しているが、それでは高齢ドライバーへの運転制限は「必要」か「やりすぎ」か?──本誌・週刊ポストの読者アンケートでは【必要】60.1%、【やりすぎ】38.2%という結果になった(*「2020年日本の重要問題について意見をお伺いします」から集計。998人が回答。100%に満たない部分は無回答)。ここでは見解の異なる2人の識者の意見を紹介しよう。

●寺林智栄氏(弁護士・必要派)

 年齢で区切ることへの議論はありますが、75歳以上の後期高齢者になると、認知機能が徐々に衰えてくるという問題があります。

 視力や咄嗟の判断力、初歩的な運転技術などの検査項目を設け、一定の基準に満たなければ免許を返納してもらう。期間内に検査を受けない人は、強制的に免許を没収する、といったやり方も考えなくてはなりません。

 運転に自信のある人ほど運転技術の低下には気づきにくい。車に乗りなれている方が認知症になると、車で徘徊をすることも考えられます。

 法的責任を問えず、被害者が泣き寝入りというケースもある。

 地方では交通機関の問題もありますが、人命にかかわることなので、インフラの整備も行なったうえで運転制限する制度は必要と思います。

●伊藤安海氏(山梨大学教授・やりすぎ派)

 40代でも危険運転をする人はいますし、年齢で制限するのは合理性がありません。75歳を過ぎて車に頼る生活をしていた人が突然、免許を奪われたら間違いなく“無免許運転”が横行します。すでに地方を中心にそうした例が多数ある。

 適性で運転の可否を判断するなら、免許取得時から継続的に検査を行なう必要があります。「今は大丈夫だけど10年後は……」と若いうちから思えれば、交通至便な場所に引っ越すこともできますが、75歳で生活設計を見直すことは難しい。

「国立長寿医療研究センター」の調査では、運転をやめた65歳以上の人が要介護状態に陥るリスクは、運転している人の約8倍。運転をやめた途端に認知症が進んでしまった事例もある。健康的な面からも、一律に運転制限するのは不条理です。

※週刊ポスト2020年1月17・24日号

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