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胃カメラ検査するも進行胃がん見逃し、突然余命3か月宣言も

医師の技量が問われる(写真/AFLO)

 医療機器は日進月歩で進化するが、最新鋭の検査にも落とし穴がある。日本人男性の罹患数第1位である胃がん。最近は「胃部X線検査」ではなく、より精度が高い内視鏡検査(胃カメラ)を選択する患者が増えている。

「それでも一定程度の見落としは防げません」と指摘するのは、医療経済ジャーナリストの室井一辰氏。

「日本消化器がん検診学会が2015年に発表した研究では、胃カメラの初回診断で医師ががんを見落とす割合が4.5%ほどでした。検診を継続すると精度は上昇しますが、それでも2.3%程度はがんを見落としていました」

 なかでも注意すべきは、進行の速い「スキルス胃がん」の見落としだ。NPO法人医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師が指摘する。

「胃がんの約1割は、極めて速く増殖して、数か月で転移することも稀ではないスキルス胃がんです。このがんは胃カメラで見逃すこともあり、会社の検診で『小さな腫瘍の跡のみ』と診断されたのに、その後、食欲がなくなり再受診したら進行胃がんが見つかり、『余命3か月』と宣告されたケースもあります」

 上医師は患者が取れる“自衛策”の一つとして、こんな方法を挙げる。

「医師が丁寧に検査をすることでスキルス胃がんが見つかることはある。検査前には『小さなスキルスが怖いので、時間をかけてよく診てください』と遠慮せず医師に頼んでほしい。医師が“よく勉強している患者だな”と感じるほど、入念に検査をしてもらえるでしょう」

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