健康な愛猫の体にメスを入れるのはかわいそう…そういった理由で、避妊・去勢手術に抵抗を示す飼い主が多いのだとか。しかし、猫のストレスを軽減したり、病気の予防になるなどの利点も。今回は避妊・去勢手術のメリットとデメリットを解説する。
メスの場合、最大のメリットは“乳腺腫瘍”の発症リスクを低減できることだ。猫の乳腺腫瘍の場合、約9割は悪性のがんとなる。避妊手術は、この予防につながるのだ。さらに子宮や卵巣の生殖器疾患の予防や、発情期に大きな声で鳴くこともなくなり、近所とのトラブルも未然に防げる。
オスの場合も、肛門周囲腺腫などの腫瘍の予防になることが明らかになっている。ほかにも、発情期に見られる、においの強いおしっこをあちこちにかける“スプレー行為”が減ったり、メスを求めて家から逃げ出すなどの行為がなくなり、猫自身も発情期のストレスを感じず穏やかに過ごせる。
「デメリットは、後で子猫がほしくなっても産めないこと、麻酔のリスク、肥満になりやすいことなどがあげられます。特に肥満は、糖尿病や心臓病のリスクを高めるので、日常的に一緒に遊んで運動をさせたり、食事内容に気をつけるなどして管理が必要です」
手術は、全身麻酔をかけて行う。避妊手術の場合、開腹手術が一般的で、手術時間は30~60分。麻酔の覚め具合などにより、日帰りまたは入院のケースがある。費用の目安は3万~8万円。
去勢手術の場合、手術時間は5~10分。基本的には日帰りで、費用は1万5000~5万円が目安となる。
自治体や獣医師会の中には、条件付きで飼い猫の避妊・去勢手術に補助金を出すところもある。住んでいる地区が対象か、確認してみよう。
避妊・去勢手術をするかしないかや、どこの病院で行うかを決めるのは飼い主だ。メリットとデメリットを理解した上で、判断しよう。
※女性セブン2020年2月6日号