●「貧乏ゆすり」も運動
 運動不足はがん発症リスクを高めます。デスクワークは、肉体労働よりも前立腺がんリスクが28%高いというデータもあります。

 運動する時間がなかなかとれない人は「貧乏ゆすり」だけでもいい。長時間座ったままでも筋肉を動かし続けることで、エネルギー消費を高め、静脈血栓の予防、股関節の老化防止効果も期待できます。

 もちろん、できれば多く運動するほうが望ましい。私も医師になって運動量が減りましたが、毎日30分程度のランニングを心がけています。

●「1日10分の日光浴」の意外な効果
 国立がん研究センターの大規模研究では、血液中のビタミンD濃度が高い人は、低い人に比べて、特に肝臓がんになるリスクが低下するという結果が出ています。肝臓がんの原因とされている肝炎とビタミンDの抗炎症作用の関係が考えられます。

 ビタミンDは魚介類に多く含まれますが、「日光浴」で紫外線を浴びることにより、体内で生成することができます。紫外線の量により日光浴時間は異なりますが、夏であれば北海道でも1日10分で十分なビタミンDが合成されます。冬になると、例えば茨城県つくば市で41分、北海道札幌市で139分かかるとの研究結果があります。

 興味深いのは、北海道や青森、秋田などの北国でがん死亡率が高いというデータです。日光以外の要因も考えられるため因果関係は断定できませんが、意識的に毎日の日光浴を心がけてもよいのではないでしょうか。

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