北京国際空港でマスクを着用して歩く乗客(EPA=時事通信フォト)

北京国際空港でマスクを着用して歩く乗客(EPA=時事通信フォト)

●その1「デマ情報を鵜呑みにする・SNSなどで拡散する」

 明治の頃、電話線を通してコレラが感染するというデマが広まりました。SNSで多くの人が真偽が定かではない情報を無邪気に拡散している状況を見ると、これと似たり寄ったりなトンデモ情報が広まってもまったく不思議ではありません。「デマ情報を信じ込んでしまう」というタチの悪いウイルスに感染しないように、細心の注意を払いましょう。

●その2「中国や中国人に対して偏見丸出しの悪口を語る」

 こういう事態が起きると、その人の心の奥にある差別意識が漏れ出してきたりします。マスクが品切れになったのは中国人のせいだと言ってみたり、中国人が大挙して日本にやってきて治療を受けようとしていると言ってみたり、生物兵器がどうしたと陰謀論をまことしやかに語ってみたり。その手の偏見丸出し発言の情けなさを自覚したいものです。

●その3「何はさておき政府批判やマスコミ批判につなげる」

 なんせ混乱状態ですから、政府としても完璧な対応というわけにはいきません。至らない部分をあげつらって「だから今の政府はダメだ」と鬼の首をとったように批判するのは、かなりみっともない行為です。どうでもいいマスコミ批判もしかり。本人は「賢い自分」を見せつけた気になっているようですが、ほとんどの場合、逆効果でしかありません。

●その4「感染者が確認された地域を“怖い場所”扱いする」

「○○県(△△市)で感染者を確認」というニュースが流れると、冗談のつもりなのか「○○県(△△市)には近寄らないほうがいいね」なんて言い出すヤツが出てきます。感染者が収容されている病院について、「イメージダウンだよね」と言うのも五十歩百歩。そうやって無意味な“怖い場所”扱いをして喜んでいるのは、けっこう愚劣な行為です。

●その5「ネット上や実生活で“不謹慎狩り”に精を出す」

 こういう状況になると、漠然とした不安や怖さを紛らわせるために、他人のどうでもいい言動をあげつらって「今、そんなこと言うなんて不謹慎だ!」と糾弾する、いわゆる“不謹慎狩り”が広まり始めます。しかめっ面でピリピリしていたって、感染が防げるわけでもウイルスを撲滅できるわけでもありません。一種の八つ当たりは慎みたいものです。

 賢明なみなさまにおかれましては、くれぐれもお気を付けください。周囲でそういう人を見かけた場合、きっと注意してもなぜいけないのか理解してはもらえず、面倒臭い反撃を受けるだけ。横目で見つつ「なるほど、そういう人だったのか」と納得するぐらいにとどめておきましょう。

 言い忘れるところでしたが、こんなふうに傍観者的な立場で無責任に勝手なことを言ってドヤ顔することこそ、もっとも「みっともない騒ぎ方」だということは重々自覚しております。たいへん失礼いたしました。感染の拡大が早く収まりますように。

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