グレースノート社の予測でも、瀬戸は日本選手で唯一、「個人で金2つ」となっている。
これまでの“お家芸”と入れ替わるように、金メダル候補が次々と現われた競技もある。陸上の「競歩」がその代表格だ。スポーツ紙の五輪担当デスクがいう。
「リオでも荒井広宙が男子50km競歩で銅を獲得したが、今回は男子20kmの山西利和、同50kmの鈴木雄介が昨年の世界陸上で優勝。札幌へのコース変更による高速化の影響が懸念されるが、金メダル最有力候補であることに変わりはない」
同じく“世界王者”では、バドミントンの男子シングルスの桃田賢斗の名も挙げられていたが、1月に遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれ、最近になって右眼窩底を骨折していたことが判明。2月8日に手術を受けて全治3ヶ月と診断されており、五輪への影響が心配されている。
2008年の北京五輪以来の正式種目となった女子ソフトボールは、37歳になったエース・上野由岐子がチームを引っ張る。男子の野球とともに、グレースノート社は金メダルを予想する。
「卓球はシングルス男子の張本智和、女子の伊藤美誠が圧倒的な強さの中国勢に対し、ホームの大声援を受けてどれだけ対抗できるかが注目です。新設された混合ダブルスでは、昨年の世界選手権2位の吉村真晴、石川佳純ペアではなく、水谷隼と伊藤が組むことに内定。それだけレベルの高い争いを勝ち抜いた選手が代表となっている。前回のリオで銅の女子団体を含め、金は厳しいかもしれないが、メダルラッシュの可能性はある」(前出のスポーツ紙デスク)
女子テニスでは昨年、世界ランク1位となった大坂なおみが日本国籍を選択して東京五輪に臨むが、連覇を目指した全豪オープンは3回戦敗退に終わり、世界ランク10位まで後退。グレースノート社の予想でも4位となっており、夏までの復調が待たれる。
※週刊ポスト2020年2月21日号