ロマンポルノを足がかりにして一般映画やテレビドラマで活躍していった俳優は少なくない。1972年の『艶説女侠伝 お万乱れ肌』で銀幕デビューした風間杜夫は、1974年のNHK大河ドラマ『勝海舟』に出演し、その後もロマンポルノに出演し続けた。『警視庁・捜査一課長』シリーズの主演をはじめ、現在映画やドラマで活躍する内藤剛志も多くの出演歴がある。石橋蓮司や柄本明、大杉漣、地井武男といった、誰もが知るベテランの俳優たちが、ロマンポルノ作品に名を連ねていた。
2019年の年間興行収入、公開本数はともに過去最高となり、映画界は活況を呈している。今日の邦画の隆盛も、ロマンポルノから続く映画人たちの奮闘に支えられているのだ。
※週刊ポスト2020年2月21日号