リオ五輪では「ジカ熱」が流行(写真/EPA=時事)

 新型コロナウイルスの拡大を受け、中国政府は春節(旧正月)期間の途中から「団体旅行客の渡航禁止」を決定した。感染を防ぐための措置とはいえ、宿泊業ではキャンセルが相次いだ。

 五輪期間中は「ホテル不足」が叫ばれており、みずほ総研の試算によれば、最大で1万3700室程度の客室が不足するという。

「逆にいえば、感染拡大時にキャンセルが続出すれば、それだけ宿泊業への打撃は大きくなります」(前出・スポーツ紙五輪担当デスク)

◆ホストタウンが抱える不安

 感染爆発の影響は、東京にとどまらない。東京五輪では、参加国との交流を図る「ホストタウン」が全国に登録されている。東京都の元職員として五輪の招致活動の推進担当課長を務めた経験を持つ、国士舘大学客員教授の鈴木知幸氏が語る。

「ホストタウンは47都道府県、478の自治体に及ぶので、海外からの選手・観光客が訪れるのは、東京や競技会場周辺だけとは限りません。海外で感染が拡大した場合、その国を受け入れるホストタウンには動揺が懸念されます。逆に、ウイルスの流行でホストタウンへの訪問を見送る国が出てくれば、受け入れを進めてきた自治体の施設や宿泊業などに影響が出ることになりかねない」

※週刊ポスト2020年2月21日号

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