国内

五輪ボランティア、韓国・平昌は宿舎提供したのに東京では…

研修などの名目で拘束されたりもする五輪ボランティア。“やりがい”をうたってはいるものの、医療現場などからは「真夏の高温の環境下、無償での奉仕に価するのか」という声も上がっている(写真/共同通信社)

 7月24日に開幕する2020年東京オリンピック。これまでの準備期間の中で、多くのトラブルが発生したが、大会が始まってからの懸念材料もある。それが「ブラックボランティア」の問題だ。

◆やりがい搾取といわれるブラックボランティア

 ボランティアは昨年9月に募集が始まり、大会8万人と都市3万人、合わせて最大11万人が参加する予定だ。その概要が発表された時から、「ブラックだ」と指摘されてきた。「1日8時間、10日以上の活動が条件」というハードさにもかかわらず、無償に近い奉仕になることにその原因がある、と作家の本間龍さんは言う。

「1日1000円が支給されますが、交通費相当にしても大会期間中、この金額で生活はできません。しかも、宿泊先の確保は各自によります。

 これまでの大会も無償だったと大会組織委員会は説明していますが、違います。韓国で行われた平昌冬季五輪では、ボランティアには宿舎が与えられ、いつでも食事できる場所がありました。2016年のリオ五輪も、都市ボランティアは日本円で日当5000~1万円ほどで集められていました。2012年のロンドン五輪も、市内の交通機関が無料で使用できるという特典があったのです」

 そんな中、昨年11月には、大会組織委員会が約2000人の有償スタッフを募集し、物議をかもしている。

「求人誌『タウンワーク』に掲載された募集内容は、大会ボランティアの仕事と酷似。しかも時給1600円だという。ボランティアで参加する人たちから不満の声が上がっています」(本間さん)

 大会ボランティアとして採用された、都内に住む自営業のA子さん(50才)は「有償があるなら最初からそちらに応募したかった。今となっては辞退したい」と語っている。

※女性セブン2020年2月27日号

東京五輪の会場となる新国立競技場(写真/アフロ)

関連キーワード

関連記事

トピックス

男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロゴルフ・川崎春花、阿部未悠、小林夢果を襲う「決勝ラウンド3人同組で修羅場中継」の可能性
週刊ポスト
都内の高級住宅街に大きなあ戸建を建設中の浅野温子
浅野温子、都内高級住宅街に二世帯住宅を建設中 資産価値は推定5億円、NHK元アナウンサーの息子一家との同居で始まる“孫育て”の日々
女性セブン
再婚妻との子どもが生まれた東出昌大。杏はイラストで子どもとの日常を投稿
《東出昌大と新妻による出産報告も突然のYouTube休止》3児の母・杏がSNSに投稿していた「家族イラスト」の意味深な背景
NEWSポストセブン
女優の吉岡里帆(右)と蓮佛美沙子がタッグを組む
【吉岡里帆×蓮佛美沙子】能登復興祈念公演ふたり芝居『まつとおね』で共演 吉岡「蓮ちゃんは、まさに頼りになる『あねさま』」、蓮佛「見ているとハグしたくなるんです」
週刊ポスト
父親で精神科医の田村修容疑者(SNSより)
「供述に信用できない部分も…」ススキノ事件・田村修被告に執行猶予判決、求刑懲役10年を大幅に下回ったワケ
NEWSポストセブン
3つの出版社から計4冊の書籍が発売された佳子さま(時事通信フォト)
「眞子さんにメッセージを送られているのでは」佳子さま(30)のワイン系ツイードジャケットに込められた“特別な想い”《お二人の思い出の場でお召しに》
週刊ポスト
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵容疑者(62)
【独占入手】女占い師の自殺教唆事件で亡くなった男性の長男が手記「200万円の預金通帳を取り上げられ…」「学費と生活費をストップ」、さらに「突然、親子の縁を切る」 警察に真相解明も求める
NEWSポストセブン
2023年12月に亡くなった八代亜紀さん
《前代未聞のトラブル》八代亜紀さん、発売予定の追悼アルバムの特典に“若い頃に撮影した私的な写真”が封入 重大なプライバシー侵害の可能性
女性セブン
旭琉會二代目会長の襲名盃に独占潜入した。参加者はすべて総長クラス以上の幹部たちだ(撮影/鈴木智彦。以下同)
《親子盃を交わして…》沖縄の指定暴力団・旭琉會「襲名式」に潜入 古い慣習を守る儀式の一部始終、警察キャリアも激高した沖縄ヤクザの暴力性とは
NEWSポストセブン
キルト展で三浦百恵さんの作品を見入ったことがある紀子さま(写真左/JMPA)
紀子さま、子育てが落ち着いてご自身の時間の使い方も変化 以前よりも増す“手芸熱”キルト展で三浦百恵さんの作品をじっくりと見入ったことも
女性セブン
被害者の「最上あい」こと佐藤愛里さん(左)と、高野健一容疑者の中学時代の卒業アルバム写真
〈リアルな“貢ぎ履歴”と“経済的困窮”〉「8万円弱の給与を即日引き落とし。口座残高が442円に」女性ライバー“最上あい”を刺殺した高野健一容疑者(42)の通帳記録…動機と関連か【高田馬場・刺殺】
NEWSポストセブン
緑の芝生に映えるチームカラーの青を基調としたユニフォーム
《横須賀から全国へ》16年ぶりの名門復活へ歩み始めた日産野球部、伊藤新監督が明かした意気込みとチーム作り「技術の日産ふさわしいチームに」
NEWSポストセブン