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2020.02.29 16:00  マネーポストWEB

あなたがポイントを獲得する裏で個人情報が高額で売買されている

さまざまな履歴を総合すればその人のパーソナリティーの大部分が見えてくる

 ネット通信の発達やスマホなどデバイスの進化で生活は便利になった。その一方で、通販サイトで商品を閲覧したり購入したりすると、その履歴がネット上に残って、広告表示に利用されるなど、どこか“気持ち悪い”と感じるようなことも増えている。

 犯罪につながらなかったとしても、日々私たちの情報は抜き取られ、思ってもみないような大きな範囲で共有されている。スマホやSNSの普及で検索やネットショップなどが手軽にできるようになった半面、私たちの行動パターンや嗜好パターンは自動的にサイバー空間に保存されるようになった。例えばゲームアプリの『ポケモンGO』や『ドラゴンクエストウォーク』を楽しめば、どこからどこまで歩いたかがいつの間にか保存される。

 ITジャーナリストの三上洋さんは人気の「共通ポイント」にも注意を促す。

「提携先が多い共通ポイントを必死に集める人が多いですが、例えば『Tポイント』で1回買い物をすると、その情報は提携先のすべての加盟店に流れます。例えばドラッグストアでダイエット用品を購入したら、別のスーパーからダイエット用品のDMが届きかねません。言うなれば私たちは個人情報を“売って”ポイントをもらっているのです」

 私たちがポイントや無料アプリと引き換えに流出させた情報は、「広告主」に高額で売買される。

「個人情報を誰よりもほしがっているのは、広告主です。例えば、健康状態の悪い人に高額の薬の広告を出し、YouTubeで化粧品ばかり見ている人に新作のアイシャドーの広告を出せば、購入してもらえる確率が高い。現在は情報がかつてないほどの価値を持ち、フェイスブックの収益は、98.5%が広告収入といわれます」(国際ジャーナリストの山田敏弘さん)

 サイバー犯罪に詳しい弁護士の板倉陽一郎さんは、「新たな差別につながりかねない」と警鐘を鳴らす。

「いまは個人情報がどんどん流される時代ですが、名前や住所が漏れただけでは大きな被害は出ません。それよりも購買履歴などから本人の『属性』が勝手に分析されることで、差別されて不利益をこうむるリスクの方が大きい」

 つまり、「こんな時間にひとりでファミレスでご飯を食べているから、家庭不和だ」とか「こんな参考書を買っているから成績が悪い」など行動と性格がひも付けされてこっそり分析されれば、いまより窮屈な社会になりかねない。2019年8月、就職情報サイト「リクナビ」は、就活生から得たデータから本人の充分な同意なしに内定辞退率を割り出し、企業38社に有料で提供していた。

「こうしたデータが本人の知らないところで勝手に利用されれば、気がつかないまま社会生活上で不利益をこうむるかもしれない。そうした事態は絶対に避ける必要があります。しかしいまはそれをはっきり規制する法律がないのが現状です」(板倉さん)

※女性セブン2020年3月5日号

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