文章や情報源を変えた複数の「対策デマ」が流れた(記者に届いたLINE)

 いま、国民の不安を一番煽っているのがこの映像だろう。〈新型コロナウイルスの再感染は致死的〉。

 この発信源は東京都内の内科クリニックの院長。YouTube(2月25日投稿)に登場し、中国の新型コロナウイルスを治療したドクターの話として、「再感染を起こすとコロナウイルスを免疫がやっつけることができなくて、心不全を起こして突然死する」「すごい凶悪な、80年に1回、人々が忘れたころに社会に大混乱を起こすウイルス」と正面から警鐘を鳴らし、再生回数は1週間で7万回を超えている。

 実際に、中国でも日本でも、症状が改善して検査で陰性になった患者が短期間で再び陽性と判断されるケースが発覚しただけに、国民にとって不安が高まる情報だ。

 感染症専門家からは、「引用論文が明示されていないものは、一切信用しないほうがいい」と反論されているが、実は、院長の話にも“元ネタ”と思われる情報があった。

 2月14日付の台湾英文新聞が、「中国の医師が武漢のコロナウイルスの再感染は致死的と語る」という見出しで報じた内容と一致する部分が非常に多いのである。この記事も「武漢の第一線の医師」の匿名証言がもとになっており、証言内容についての医学的エビデンスは示されていない。

※週刊ポスト2020年3月20日号

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