一方、京大は後期の法学部の20人募集の入試を除いての集計だ。トップは3年連続で大阪の公立の北野だった。昨年より合格者は27人増えて99人。2位も大阪公立の天王寺で昨年より29人増えて76人合格だ。この北野、天王寺のワン・ツーは1977年以来43年ぶりになる。公立名門校の躍進だ。
大阪の府立高は2011年から、大学合格実績の高い10校に普通科と併存して文理学科を設置した。大阪には学区があるが、文理学科はどこからでも出願ができ、大学進学に力を入れる学科だ。2016年から北野と天王寺は普通科を廃止し、文理学科に一本化。今年はその2期生が卒業し実績が伸びた。
「優秀な生徒がこの2校に集中した」と地元塾の関係者はみる。残りの8校も2018年から文理学科に一本化されている
北野、天王寺以外にも大きく伸びた学校が目立つ。奈良は21人増えて52人となり、10年ぶりにトップ10入りだ。東大で躍進した西大和学園は京大も20人増えて52人となった。神戸(兵庫)は12人増えて34人、明和(愛知)が15人増えて29人などだ。公立高の躍進が目立っている。
押される中高一貫校だが、ひとつには医学部人気が高いことが理由に挙げられる。京大の理系学部より、他の国公立大の医学部を狙う受験生が多いと見られる。
京大医学部医学科に合格している顔ぶれを見ても、トップが灘の24人、次いで東大寺学園11人、甲陽学院9人、洛南8人と続く。2人以上合格している14校のうち、公立は北野3人、宮崎西2人の2校だけだ。他の12校はすべて中高一貫校だ。