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新型コロナ 世界各国の情報公開体制は日本の先を行く

新潟市民病院には70代女性が入院(写真/EPA=時事)

 新型コロナの「感染経路」について、各自治体は感染者が参加していたライブ会場やイベント名などを次々に公開している。だが、そこにはひとつの重要な情報が抜け落ちている。「感染者が受診した病院」が、ほとんど公表されていないのだ。そればかりか、各自治体では公表している内容がまちまちで混乱に拍車をかけている。

 たとえば北海道の場合、北海道庁のHPには以下のような形で情報公開がされている。

〈患者A 3月8日 市立札幌病院を受診 3月10日 北海道医療センターに入院〉
〈患者B 3月4日 医療機関Aを受診 3月10日 医療機関Bに入院〉

 なぜこんなことが起きるのか。その原因は国が公表の統一基準を設けていないことにある。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が語る。

「賛否はありますが、世界各国の情報公開体制を見ると、日本の先を行っています」

 諸外国の中には、病院名はもちろん、感染者の個人情報まで克明に公表している国がある。例えばシンガポールでは、保健省が全感染者を番号付けし、それぞれに国籍、年齢、性別、勤務先、接触したクラスター(小規模な感染集団)、症状の重さを公表。

 韓国は保健当局が感染者のクレジットカードや公共交通機関の利用履歴、防犯カメラ映像を元に、ひとりひとりの移動経路を公表。この情報を元に、全国紙・中央日報は感染者の行動履歴を確認できるサイト「私達の街のコロナ地図」を公開した。

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