• TOP
  • コラム
  • 子育てが終わるまで離婚ありきで夫と生活する「エア離婚」を考える!

コラム

2020.03.20 10:00  たまGoo!

子育てが終わるまで離婚ありきで夫と生活する「エア離婚」を考える!

子育てが終わるまで離婚ありきで夫と生活する「エア離婚」を考える!

2019年、エッセイスト・タレントの小島慶子さんが「『エア離婚』をしました」と雑誌のインタビューで語り、話題になりました。「エア離婚」とは、離婚前提で夫婦生活を送ること。夫も合意の上でエア離婚に踏み切ったそうです。エア離婚のエアは、エアギターのエア。リアルではなくバーチャルといった意味に近いことかと。
小島さんが提案するエア離婚の考え方を通じて、子育てが終わったときの生き方について考えてみましょう。

「エア離婚」は小島慶子さんが考えた言葉

エア離婚とは、「子育てを終えたときに離婚することを合意し、その日までは夫婦で居る状態」を指す小島慶子さんの造語。「夫に対してはもう結婚当初のような愛情はないけれど、子どものために夫婦で居る」という人にとって、気になる言葉ではないでしょうか。

離婚の合意ができている結婚生活

高校2年生と中学2年生の男の子がいる小島さんは、「子育てが終わったら離婚したい」と何年も夫に伝え続け、ようやく2年前に合意を得ることができたとのこと。離婚を前提としながらも、今はまだ法律的には夫婦関係を続けているから「エア離婚」なのです。

小島さんが夫と別れたいと最初に思うようになったきっかけは、長男を出産した直後に遭った「夫の人道的な裏切り」。そのときはシングルマザーになる勇気がなかったこともあり、自分の気持ちにふたをしたのです。やがて、次男も生まれて4人家族になりました。

その後、家族でオーストラリアに渡り、夫は仕事を辞めて小島さんが一家の大黒柱になります。夫は子どもにとってはよい父親で、家族はうまく行っている。しかし、子どもたちが巣立った後の二人の生活を考えたとき、やはり夫の裏切りに納得が行かず、彼の妻で居続けることに負担を感じるようになったと、小島さんは言います。

「エア離婚」で気持ちが軽くなった

「エア離婚が夫に認められ、気持ちが楽になった」と小島さん。「子育てが終わっても、この人と一緒に居なくてはならないのか」という重荷から解放されたと言います。夫もまた、エア離婚に合意したことで、小島さんに頼らなくても生活できるように、資格取得の勉強をしているそうです。

法律に縛られ、苦しい思いをしてまで夫婦で居るよりも、お互いによい関係が築くことを大切にする。そのためなら、夫婦という形にこだわらない方がいい――エア離婚から、小島さんのそんな思いが伝わってきます。

法律上の結婚生活をいつまで続ける?

小島さんのようなケースは特別かもしれません。しかし、「法律で結ばれた結婚=『婚姻』関係をいつまで続けるのかな…?」と、漠然とした不安が頭をよぎった人は少なからずいるのではないでしょうか。夫婦間でなにか問題が起きても、すぐに離婚にはつながらないケースは多いのです。

定年退職、子どもの巣立ちが夫婦関係の転機

夫の不義、性格の不一致、セックスレスなど、夫婦の間に横たわる問題はさまざま。それらが原因で一度は離婚を考えたとしても、世間体が気になったり、子どものことを考えると我慢したりして、思いとどまるのです。小島さんのように、シングルマザーになる勇気がない人も多いでしょう。

夫婦のありかたを見つめ直すことになるのは、夫の定年や子どもが巣立ったとき。子どもが家を出て、家に居る夫と過ごす時間が多くなるという事実に目を向けたとき、「それでいいの?」と、妻は改めて自分の気持ちと向き合うことになります。若い頃に「離婚」を考えたことがある人は、改めてその二文字が頭に思い浮かぶのです。

卒婚・エア離婚は夫婦関係の前向きな解消

夫の定年や子どもの巣立ちをきっかけに、夫婦関係の見直しを考えるようになるのは、夫よりも妻の方が多いようです。このとき、すっぱりと「離婚」を決断できる人がいる一方、「卒婚」という形をとる人もいます。

「卒婚」とは、法律的な婚姻関係は続けるが、夫婦としてふるまうことをやめること。2014年に出版された『卒婚のススメ』から生まれた造語です。「夫やその親の世話をしない」「籍は入れたままだが別居して、必要なときだけ集まる」「同居しているけれど生活は別」など、「卒婚」がどのような状態を指すのか一定していませんが、それぞれが「妻」「夫」という立場から解放されることを意味しています。

法律的には夫婦なので、新たなパートナーを求めることは不貞行為(不倫)に当たるなど、デメリットもあります。しかし、離婚するときに発生する法的な手続きなどがいらず、世間体を気にしなくてもよい点が離婚にはないメリットです。

「エア離婚」は、卒婚よりも夫婦がそれぞれ自立的に生きる選択肢です。二人が自立する準備期間として一緒に生活する時間、それがエア離婚だからです。エア離婚の先には、離婚があるという点で、卒婚とは異なります。

しかし、子どものために夫婦という役割を果たしていた二人が、子どもの自立によってその役割を終え、それぞれが自分らしく生きたいと願う点では、卒婚もエア離婚も「前向きな夫婦関係の解消」と言えるでしょう。

「エア離婚」で結婚生活の期限を決める

「エア離婚」は、「夫婦関係の解消=法律的な離婚」の準備期間を指す言葉です。エア離婚の間は、小島さんの夫のように、夫も妻も自立に向けて準備をする必要があります。小島さんは「エア離婚」することに合意が得られたことで、気持ちが楽になったと語っています。

結婚中に離婚の合意を得られるか?

「エア離婚」の期間を持てるかどうかは、相手に「やがては離婚する」という合意を得られるかどうかがカギです。小島さんも、最初に「子育てが終わったら離婚してほしい」と夫に訴えた際、はぐらかされたり逃げられたりしたそうです。

数年後の離婚を約束させることは、簡単なことではありません。小島さんは「夫の裏切り」がPTSD(心的外傷後ストレス障害)の要因になるほど追い込まれた状況になり、繰り返し夫に離婚を訴えたことで、最終的には合意を得られました。

「あなたに対するモヤモヤを抱えつつ、子どものために結婚生活を続けている。子どもが独立したら、一緒に住みたくない」と夫に告げるのは、勇気がいることです。経済力に不安がある妻ならなおさらです。ただ、自立に向けて努力しようと意欲がある人なら、小島さんの考え方は参考になるかもしれません。

二人きりになって我慢しなくていい未来

子どもたちの独立後、「この人の妻であることを、一生背負っていくのは耐えられなかった」と言う小島さん。いずれは離婚することがわかっているから、「妻」とは違う未来があることに希望を持つことができる――そんな思いに、共感できる人もいるのではないでしょうか。また、小島さんはエア離婚期間に入ったことで、夫に対しても憎しみだけでなく、これまで一緒に過ごしてきたことに感謝できるようになったそうです。

法律的には「婚姻」でひとくくりにされる夫婦関係ですが、その中身は一様ではありません。また、一組の夫婦も時間の経過とともに距離感は変化していきます。「夫婦」という言葉に含まれる、法律的な関係と精神的な関係にどう折り合いをつけていくか。「エア離婚」がヒントになるかもしれません。

おわりに

十数年前「卒婚」という言葉が登場し、2019年には小島さんが「エア離婚」という言葉を生み出しました。こうした言葉が生まれるのは、子育てが夫婦関係をつなぎ留めている要素が大きい表れといえます。人生100年時代ともいわれる今、子育てが終わった後の人生は短くありません。「親」の役割を終えてからのご自身について、時には考えてみてはいかがでしょうか。

関連記事

トピックス