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行き場のない子供に部屋開放の京都老舗料亭 食材の支援に感謝

京都は今、観光客もまばら(写真:時事通信フォト)

京都は今、観光客もまばら(写真:時事通信フォト)

 新型コロナウイルス対策で、3月頭から春休みまで続けて臨時休校となってしまった子供たちの居場所をどう確保するかは、現在も大きな課題だ。

 共働きやひとり親世帯は、子供の面倒を見るために休業せざるを得ない場面も出てくる。遊び場もなく友達に会えない日々は、大きなストレスだろう。

 そんななか、京都市内の老舗料亭が、ある試みを始めた。

「子供たちの自習室代わりに、店の空いている部屋を無料で使ってもらっています。例年なら3月、4月は歓送迎会やインバウンドのお客さん、修学旅行で繁忙期ですが、今年はキャンセルが相次ぎ、売り上げは70~80%減となる見込み。それでも営業していれば電気やエアコン代はかかる。空いている部屋を有効活用したいと思ったのです」

 そう語るのは、京都市中京区にある京懐石料亭「神泉苑平八」の支配人・松原治雄氏。小学生を中心に平日の10時から夕方5時まで店で預かっている。定員は約30人だ。

「お母さんが送り迎えする子もいれば、友達同士で連れ立ってくる子もいます。店に来たら大学生など地域のボランティアが面倒を見てくれ、勉強のほかにアニメをプロジェクターで流したり、子供たちが持参したゲームをしたりと遊びの時間も設けています」(松原氏)

 保護者にとって何よりありがたいのは、手作りの昼食を無料で食べさせてもらえることだ。

「それほどのものではないですが、料理長らで用意しています。当初、食材はうちの持ち出しでやりましたが、京都新聞(3月3日付)で取り上げられてからは、取引先や知らない方々からもお米や味噌など色々な食材を提供していただくようになりまして、子供たちの食事用に使わせていただいています」(同前)

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