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2020.03.27 15:59  週刊ポスト

「前貼り」の全て なぜ?いつから?どうやって?

「前貼り」のすべてを解説

 今も語り継がれる名作映画には、大女優が体当たりで濡れ場を演じている作品も多い。映画『道頓堀川』(1982年)では松坂慶子、『天城越え』(1983年)では田中裕子の乱れた様が、見る者の心を熱く滾らせた。そんな濡れ場の撮影で欠かせないのが「前貼り」だ。普段は関係者しか見ることのできない奥深き世界へご案内する。

 実際に「前貼り」の現物を目にしたことがあるかといわれると、ほとんどの人は「NO」だろう。それは当然で、そもそもは局部が映像に映らないようにするため、または撮影現場で他の俳優やスタッフから最低限局部を隠すための“マナー”の意味合いが強く、あくまでも「舞台裏の小道具」であり、決して視聴者の目に触れてはいけないものだからである。

 前貼りはどのように使われ、進化してきたか。証言してくれるのは、1985歳にして現在も現役監督として撮影を行なっている映画界の重鎮・小川欽也氏だ。ピンク映画第一号と言われる『肉体の市場』(1962年・大蔵映画)では、助監督として作品に携わった。

「あの頃は別に前貼りというのはなかったんだよね。ピンク映画の最初の頃は大したカラミもなかったから、前貼りをするほどではなかった。前貼りはせず、要するに隠して撮るような感じでやっていたね」

 では、前貼りが使われるようになったのはいつからか。

「古い話だから記憶が曖昧なところもあるんだけど、1964年の東京五輪後、大体1970年頃のことじゃないかな。その頃から作品の内容がだんだん過激になって、映倫の基準も緩くなってきて、全裸での撮影がOKになったんだよね。それでも『体位だけずらしてくれ、本当にやってないという形で撮ってくれ』ということで、『それじゃあ隠したほうが良いだろう』ということになった。それで前貼りをガーゼで作って、周りを指に巻くようなサイズの絆創膏でとめた。それが最初かな」

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