日本を離れての練習がつらく、何度も氷の上に倒れそうになったとき、この『わかれうた』の冒頭の歌詞を叫びたくなったこともあったという。
「そうしたつらい時期を支えてくれたのは、アメリカの高校の仲間です。この曲を聴くと、国籍を越えたつながりを教えてくれた仲間との別れも思い出され、もの悲しい気持ちになります」(渡部さん)
経済評論家の森永卓郎さん(62才)にとっての別れの歌は、吉田卓郎の『今日までそして明日から』だという。
「ぼくは小学5年生までを欧米で過ごしたので、帰国してからは日本語もろくにしゃべれず通信簿は1と2ばかり。しかも太っていたので、ずっといじめられっ子でした。中学で転校し、この曲に出合ったのが15才のとき。当時はフォークソングブームで、みんなでギターを弾きながら、吉田さんの曲を歌っていました」
曲名の通り、明日からもまたこれまでと同じように生きていくだろう、と歌うこの曲。
「この歌詞を聴くと、これまでの自分を否定し変わろうとするのではなく、あるがままの自分を受け入れる気持ちになれました。“変なヤツ”だからいじめられたけれど、“変なヤツでいいんだ”と思えたんです」(森永さん)
※女性セブン2020年4月9日号