カリスマトレーダー池辺雪子 億の極意

コロナ・ショックの株価下落時に為替が円安に動いた背景

ドル円が3月10日から急反発した理由とは

ドル円が3月10日から急反発した理由とは

 コロナ・ショックに伴う日経平均株価の下落と共に、ドル円相場も円高一辺倒になると思われたが、3月10日以降の値動きを見ると、いったん円安方向に進み一時1ドル=111円台まで上昇する局面があった。こうした値動きの背景に何があるのか。FX(外国為替証拠金取引)などのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、直近のドル円の値動きを読み解く。

 * * *
 新型コロナウイルスの感染拡大が国内外で深刻化し、2月20日には1ドル=112円で推移していたドル円は、3月9日には1ドル=101円台まで下落しました。1ドル=100円割れの懸念も囁かれる中、意外にも、翌日以降ドル円は堅調に推移し、3月20日には1ドル=111円まで回復しました(30日現在では1ドル=107円台)。

 その間、日経平均は軟調であったにも関わらず、なぜドル円は上昇したのでしょうか。平時なら日経平均の下落は円高につながるケースが一般的ですが、今回ドル円が急上昇した要因は、ドル需要の急激な高まりによるものと考えられます。

 ドルの強弱を示すドルインデックスに目を向けると、ドル円が急上昇し始めた3月10日以降、ドルインデックスもドル円と同じように上昇しています。これは他の通貨に対してドルの需要が高くなったことを示します。

 金融システムや経済が混乱すると、世界の基軸通貨であるドルを調達しようとする動きが、アメリカに限らず各国で広がります。例えば世界の社債や国債は、ドルを保有している投資家が多いことから、「ドル建て債券」も多く発行されています。債券の償還(返済)はドルで行う必要があり、また金融危機時には投資家の中にはそれら債券を現金化しようとする動きも現れます。

 コロナ・ショックを引き金に、こうしたドルベースの取引が世界で急激に増え、各国にドル不足を引き起こし、ドルの調達(ドル買い)が急速に巻き起こりました。これがドル円急反発のひとつの原因と思われます。

 その後、各国中央銀行がドル資金供給の拡充策を発表し、需給逼迫に伴うドル高局面は終了したと見られますが、世界レベルの金融不安を引き起こすほどの有事には、平時の相関性は崩れてしまうことがある、ということは覚えておきましょう。

【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。