国際情報

米法律事務所、コロナで中国への巨額損害賠償裁判提起の根拠

発生源には賠償責任?

 米国では新型コロナウイルスの感染者数が急増し、中国やイタリアを上回り世界最多となっている。そのような状況なだけに、米国や世界各国で新型肺炎が拡大したのはウイルスの発生源の中国の怠慢であるとして、米国の法律事務所が中国政府に数十億ドル規模の損害賠償を求める集団訴訟を起こしたことが明らかになった。米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 この法律事務所は米フロリダ州のバーマン・ロー・グループで、原告はフロリダ州の住民4人らと同州ボカラトンにある野球選手のトレーニングセンター。

 彼らの代理人として事務所が提出した訴状は20ページに及んでいる。それによると、原告側は「中国政府、中国衛生当局、湖北省政府、武漢市政府は新型コロナウイルスの危険性と大流行になる恐れがあると知りながら、直ちに対策を講じなかった」と前置きしたうえで、「経済的利益のために、感染情報を隠ぺいし、多くの人々に身体的・心理的な傷を負わせ、多大な損失をもたらした」と指摘している。

 法律事務所の共同設立者であるラッセル・バーマン氏は米メディアに対して、「中国当局は新型肺炎の世界的なまん延を引き起こした」と中国の対応を激しく批判している。原告団には新型コロナウイルスの感染者は含まれていないが、バーマン氏らによると「ウイルスの感染者が今後、原告団に加わる」ことを明らかにしている。

 しかし、国際法では、国際民事訴訟において、被告が国または下部の行政組織の場合、外国の裁判から免除されるという「外国主権免責」条項がある。これは国際慣習法の一つであり「国家免除」「裁判権免除」とも呼ばれている。

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