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年金改正の重大ポイント「在職老齢年金」のカットが大幅緩和

在職老齢年金の見直しで新しい選択肢が生まれる(イラスト/福島モンタ)

 現在議論が進められている年金制度改正では、老後の生活設計を考える上でいくつか重要なポイントがある。『週刊ポストGOLD あなたの年金』より、“年金博士”として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏が「在職老齢年金」の改正について解説する。

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 今回の年金改正で定年後の働き方に最も大きな影響を与えるのが在職老齢年金の見直しです。

 現在の制度は「年金をもらいながら働く人」は給料が多いほど年金がカットされて損をする仕組みです。60歳から64歳までの期間はとくに年金カットが大きい。

 新制度ではこの60代前半の在職老齢年金の年金カットの基準が変わり、年金をもらいながら働いても、多くの人が年金カットされなくなります。

 この改正で一番メリットを受けるのが65歳以前に年金の特別支給が受給できる「得する年金」世代でしょう。「得する年金をもらうために給料をセーブするか」「得する年金をあきらめて稼ぐか」を選ばなければならなかったのが、これからはフルタイムで働き、年金とのダブルインカムで老後資金を増やせる可能性が広がるからです。

 65歳以前にもらえる「特別支給」がない世代にもチャンスです。年金制度には60歳から受給を開始する「繰り上げ」の仕組みがあります。

 これまではフルタイムで働くと年金が大きくカットされてしまった。これでは、事実上、繰り上げは選べません。しかしこれからは、繰り上げを選んで60代前半から「給料と年金をもらいながら働く」という新しい人生プランの道が拓けることになります。

※週刊ポスト2020年5月1日号増刊『週刊ポストGOLD あなたの年金』より

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