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タイ在住記者が見た「首都封鎖」のリアル 溢れる帰国できない外国人たち

イミグレーションでは、帰国できず滞在延長を手続きする外国人が列をなしていた(タイ・バンコク)

イミグレーションでは、帰国できず滞在延長を手続きする外国人が列をなしていた(タイ・バンコク)

 世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、タイでもその勢いは深刻だ。タイ保健省によれば、感染者数は累計2258人、死者数は累計27人(4月7日現在)。ただし、連日100人ペースで新規感染者が確認されていたが、6日には51人、7日に38人になり、その数を減らし始めている。

 タイでは3月18日から、学校の休校、ナイトスポットやマッサージなどの娯楽施設を営業中止。4月中旬のタイの旧正月「ソンクラーン」の延期も決定された。3月22日からは生活必需品を扱う店を除く商業施設は閉鎖され、飲食店はTake away(持ち帰り)のみで営業している。3月26日には緊急事態宣言を発令。子どもや高齢者などの外出が制限され、外国人の入国原則禁止などが実施された。

 追加措置として4月1日、屋台やコンビニも午前0時から5時まで夜間営業の禁止が発表された。ムエタイや帰国者などによる感染拡大を受けて、封じ込めに本気だ。2日には午後10時~午前4時の外出を禁止する夜間外出禁止令が出された。違反者には2年未満の禁錮もしくは4万バーツ(約12万円)の罰金、またはその両方が課される。

 3日には封じ込めをさらに強化。日本をはじめとする対象地域の渡航者に対して、政府指定の施設で14日間の強制隔離を実施。6日、当初4月4日から6日までを予定していたタイ行きの航空機の飛行禁止措置を18日まで延長した。

 筆者(マネーポストWEB記者)がタイ人女性会社員との婚姻とビザ手続きのため入国した2月末時点では、感染者数は40名ほど、死者は1名という状況だった。しかし、冒頭のように事態は悪化の一途を辿り、3月26日には緊急事態宣言を発令。子どもや高齢者などの外出が制限され、外国人の入国が原則禁止された。

 わずか1か月のあいだに事態が急変したことで、筆者も含めて滞在する多くの外国人が困惑している。特に混乱が見られたのが、飛行機の欠航とビザ関係。国境封鎖や航空便の欠航により、自国に帰れない外国人が大勢いるのだ。実際、首都バンコクのチェーンワッタナーにあるイミグレーションでは、3月24~25日頃の混み合いがひどく、自国に帰れず、滞在延長を希望する外国人で溢れていた。

 筆者がノービザの滞在延長と結婚ビザ申請のために訪れた日も、朝8時半オープンにもかかわらず、早朝6時の時点で整理券を得るための多くの人々が行列をなしていた。この日は7時半から受付が開始。行列を整理する警備員が、笛を鳴らして一定間隔の距離を保つように指示したほか、座席も1席ごとに間を取っていた(その後、イミグレーションで感染者が出たため、現在は対策として一部手続きを別会場に移したという)。

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