ライフ

肝機能の指標γ-GTP 飲酒ではなく薬が原因で上昇することも

「検査前日だけ禁酒」にあまり意味はない

 酒好きにとって、毎年の健診で気になってしまうのがγ-GTPの数値である。γ-GTPは肝臓がアルコールを分解・解毒する作用に関わる酵素で、健康診断では肝機能の指標のひとつとして用いられる。

 成人男性では50IU/L以下が正常値、成人女性で30IU/Lだが、秋津医院院長の秋津壽男医師は、

「飲酒習慣がある人は、健診で毎年100~150IU/L程度の値が出ることもある。生活習慣によって変化しやすい数字なので、基準値オーバーでも、即治療が必要というわけではない」

 という。ただし、2ケタの数値に収まっていても毎年低い値だったのが、ある年から急激に上昇したら要注意だ。

「胆石など胆のうに異常が生じると急激に上昇することが知られています。上昇度合いが非常に大きいケースでは、胆のうがんの疑いも生じます」(秋津医師)

 それ以外にも、飲んでいる薬によってはγ-GTPが急上昇したり、何年も基準値を超えたりしてしまうケースもあるという。

「γ-GTPは薬の代謝にも関わっているため、薬剤性肝障害という一種のアレルギー反応を起こし、数値が上がる場合がある。

 これは葛根湯や市販の風邪薬、肝臓にいいと言われているウコンを飲んだ場合でも起こり得ます。新しい薬を飲み始めた時だけでなく、以前から飲み続けている薬がアレルギー反応を起こすこともあります」(秋津医師)

 お酒を飲む習慣がないのに、γ-GTPが毎年、高くなっている人は、服用薬が原因の可能性があるので、医師に相談するなどして、確認したい。

γ-GTP、こんな数値は要注目

※週刊ポスト2020年4月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン