過去の様々なショックの際にも自殺者が増えた

 相談電話は、これまで相手の悩みを聞く“傾聴型”が主流だったが、最近は、“傾聴+サポート型”の相談電話が登場。相手の話を聞くとともに、相談者が抱えている具体的な問題解決のために生活保護申請への同行、法律家の紹介など包括的な支援も行われるようになった。

「こうした包括的な支援を行う相談電話は、一団体や個人によるもののほか、公的な相談電話では『よりそいホットライン』があります」

 もう1つの総合相談会は、ハローワーク等での仕事探しだけではなく、弁護士、保健師、精神保健福祉相談員、福祉事務所職員などが1か所で相談に乗る形だ。

「自殺者(523人)の関係者を調査したところ、自殺した人は、借金・生活苦・多重債務・うつなど、平均4つの悩みを抱えていたことが明らかになりました。だからこそ、専門家が連携して、問題解決に当たる必要があるのです」

 東京・足立区では、年30日程度開催するなど、総合相談会は全国に広がりつつある。

「日本では、どんなに苦しくても家族に悩んでいる姿を見せず、生活保護の利用を躊躇する人も少なくありません。そんなつらさを表に出さず、声も上げない人がある日突然自殺で亡くなってしまう。だからこそ困ったときは利用すべき。ピンチの際は声を上げて助けを求めていいんです」

 もし、あなたが死にたいほど困ったら、相談電話にSOSを出す。これも自らを救う大切なスキルだ。

※女性セブン2020年4月30日号

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