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2020.05.12 16:00  NEWSポストセブン

岩手とコロナ、地元民・出身者が語る「噂拡散の速さと慎重さ」

岩手県「感染者ゼロ」の裏で…

 新型コロナウイルスの感染者数がいまだ0人なのが岩手県だ(5月11日現在)。4月上旬ごろ、島根県と鳥取県とともに0人が続いていたことから、ネット上ではこの3県への注目が高まっていた。まずは島根で感染者が出て、続いて鳥取でも出たことから岩手に対して「優勝」「金メダル」などと書かれた。

 そんな状況下にあるが、7日、同県北上市の高橋敏彦市長は、市の公式HPで以下の注意喚起を行った。

〈当市においても市内企業に勤務されているご家族をはじめ、職場の方やその他取引先など関係者の方々に対する誹謗・中傷の相談を受けております。他県から転居してきたこと等を理由とした、不当な「差別・いやがらせ・偏見・いじめ」は、決して許されるものではありません。市民の皆さんには是非とも落ち着いて、冷静な対応をお願いするとともに、子どもたちに対しても、仲間を傷つけるような言葉づかいや態度をとらず、思いやりをもって行動するよう声をかけていただきたいと思います〉

 朝日新聞の電子版は9日、〈感染ゼロ岩手で「コロナ県!」 県外ナンバー中傷相次ぐ〉という記事を掲載し、「他県から来るな」と言われた人がいたことや、転勤者の小学生と中学生の子供が同級生から「コロナ県」とからかわれたという、県に寄せられた相談内容を紹介した。

 岩手とコロナに関しては、「千葉から帰省した妊婦が破水して救急搬送されたもののコロナの感染リスクを理由に2軒の病院から受け入れを拒否された」ことや「東京から移住してきた男性が当初予定していたマンションへの居住を断られ、別の場所に仮住まいをしていたところ、その家が焼けて死亡した」という件がネットでは取り沙汰されていた。

 こうしたことからネットの匿名掲示板5ちゃんねるには岩手について「まあ県民性だよな」や「震災の時県外のもんにどれだけ助けてもらったと思ってんだこいつら!」「今後岩手に何かあっても一切手を差し伸べないように 余計なお世話らしいから」といった厳しい意見が並ぶ。

◆とにかく噂話が素早く広がる

 神奈川県在住で、冒頭の注意喚起がHPに掲載された北上市出身の60代女性は、妊婦の受け入れが拒否された件については「地元ではまだ感染対策が充分じゃない病院が多いみたいです。医療が弱い地域があるので、そこは理解してほしいなと思います」と語る。

 この女性は「岩手県知事の対応はそもそも早かったと思います」と言う。実際、達増拓也知事は、2月7日に感染症専門医による「県新型コロナウイルス感染症対策専門委員会」を設置。3月30日には、首都圏から来県した人へ2週間の外出自粛要請をしていた。こうしたトップのリーダーシップが発揮された素早い動きがあり、県民の感染対策への意識も高いようだ。

 前出の女性は上記のように市長が市民に呼びかけざるを得なくなったことについては、その土地ならではの噂話の拡散力の速さが関係しているのでは、と述べる。

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