いずれにせよ、コロナで失われた学校教育の時間を穴埋めするためには、現場の先生の力だけでは難しく、すでに定年などで退かれた先生、結婚出産で現場を離れている先生方などの力も必要になってくるでしょう。これまでの既成概念に捕らわれず、斬新なアイデアを出すのであれば、学校だけでなく塾など民間教育の手を借りることも一つの方法でしょう。
長期休校は子どもたちの生活習慣も乱し、スマホやゲームに興じる子どもたちが増加しています。それは、休校による家族の心身の疲弊と閉塞感から、長時間の使用を容認し始めているからです。それまで、ゲームは1日1時間と決められていた子が3時間から5時間と、驚くほどの時間を費やしています。夜更かしも増え、小学生でも12時を過ぎてからの就寝も珍しくなくなってきました。
その一方で、この休校期間中にたくさんの本を読み、新しい学年の教科書を開き、自ら学習計画を立てて臨んでいる子もいます。学校で授業が受けられない状況下では、自分自身で学べる子、学べない子の差が驚くほど広がっているのです。
いま、「9月入学案」も浮上していますが、休校が長引けば長引くほど、子どもたちの学力差は広がり、9月新学期など待てない状態になっています。現場を知っていれば、「9月新学期はイコールコンデションで学力差も解決できる」などという安易な意見は出てこないはずです。
こうした、学校が置かれている厳しい状況を考えると、一刻も早い学校再開が望まれます。子どもたちの命と安全を守りつつ、長期間にわたる休校で生まれた学力格差と蓄積されたストレスをいかに解消させていくか──。官民一体となって早急に考えていかなければなりません。