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所得税の納付期限を最長1年延ばせる特例猶予の対象と申請書の書き方

所得税の特例猶予申請書の書き方見本

所得税の特例猶予申請書の書き方見本

 新型コロナで急に収入が減ると、相対的に負担が増えるのが税金だ。特に重い負担となるのが、所得税(国税)や前年の収入に対してかかる住民税(地方税)だ。たとえば年間の課税所得が330万~695万円だった人の場合、所得税の税率は20%。住民税は所得にかかわらずおよそ10%の税率がかかる。1人一律10万円の「特別定額給付金」だけでは、とても賄えない。差し押さえ等の処分を避けるために、どう工面するか。確定申告して納税する自営業者やフリーランスにとって悩みの種だ。

 もともと所得税をはじめとした国税には支払い猶予制度はあったが、新型コロナで特例猶予が設けられ、条件が大幅に緩和された。円満相続税理士法人代表で税理士の橘慶太氏が説明する。

「今回の特例猶予は無担保で猶予期間も1年間(再延長も検討されている)。なかでも、これまで納期限を1日でも過ぎるとかかっていた延滞税がかからなくなったことが最大の特徴です」

 延滞税は1日単位で計算され、納付期限から2か月以内は年2.6%、それ以降は同8・9%となる(令和2年度)。仮に20万円の所得税を1年間滞納すれば、1万4000円以上の延滞税が加算されることになるが、特例猶予なら払わないで済む。

 対象となるのは、
【1】今年2月以降に、1か月でも収入が前年同期比で概ね20%以上減少していること
【2】一時に納税するのが困難であること
 の2つの条件を満たす場合だ。

「収入の減少が20%に満たない場合でも適用の対象になる可能性がありますので、支払いが厳しい場合は国税局に相談するとよいでしょう。

 対象となる国税は今年2月1日から来年1月31日までに納期限が到来するものと幅広く、今年6月30日まではすでに納期限が過ぎたものでも遡って申請することが可能です。ただし、確定申告による納税額がないといけないため、毎月給与から源泉徴収されている所得税については、対象外となります」(同前)

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