一方で、世の中には、飲食業や介護、製造ラインでの業務など、現場に出向かなければ従事できない仕事も多い。ウイルスが蔓延するたびにそれらの仕事をストップせざるを得ないようでは、人々の生活はもちろん、経済活動全体が衰退してしまう。
ロボットやAIなど更なるテクノロジーの進化でカバーできるものもあるかもしれないが、それが実現するまでの間どう対処するかについても考える必要がある。今のテクノロジーでカバーできる業務については環境整備を促進し、一方で、カバーが難しい業務については集中的に防疫体制を整えたり、休業時の補償を手厚くするなどの対処が必要だ。
今は目の前の脅威にどうしても目を奪われがちになるが、働き方の構造を変えて行くにあたり、あらゆる脅威を想定してどう持続可能な環境を構築し、世の中の仕事をサスティナブルワーク化していくかという視点を携えておくことが不可欠だと考える。
●かわかみ・けいたろう/1997年愛知大学文学部卒業後、テンプスタッフ(当時)に入社し新規事業責任者などを歴任。業界専門誌『月刊人材ビジネス』などを経て、2010年株式会社ビースタイル入社。2011年より現職(2020年より株式会社ビースタイルホールディングス)。延べ3万件以上の“働く主婦層”の声を調査・分析する傍ら、人材サービス業界への意見提言を行う。