中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

テレビはなぜ「演出」をするのか 現場から感じられる苦悩と傲慢さ

テレビで「過剰演出」がまかり通るのはなぜ?

テレビで「過剰演出」がまかり通るのはなぜ?(イメージ)

 5月23日、恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)に出演していたプロレスラー・木村花さん(享年22)が、急逝した。木村さんは番組出演以来、SNSで苛烈な誹謗中傷を受けていたこともあり、そうした風潮を生み出したテレビの「演出」に対しても多数の批判がされている。

 その一方で、「現場のスタッフも悩んでいる」と言うのはネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。テレビ媒体でコメントを求められたりする機会も多い中川氏が、テレビがなぜ「演出」をするのか、その背景を分析する。

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 生放送以外は収録となります。スタジオでの収録もありますし、会議室で「識者」として様々なことを語り、これが映像として使われることもあります。こうした時、活字メディアの取材では存在しないのが「演出」です。

 ディレクターから「ここは〇〇のようにしていただけませんでしょうか」「ここで〇〇と言っていただけませんでしょうか」といったお願いが出るのです。こうした場合、大抵は申し訳なさそうな「歯を食いしばり、目を細め、下を向く」といったポーズをされます。

 活字メディアの場合は、「今おっしゃった意味をもう少し補足してもらえますか?」といった依頼が来るのですが、テレビの場合は「このようなことを言ってもらえますか」ということにならざるを得ない。なぜなら、そのシーンをそのまま映像として流さなくてはいけないからです。

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