虎ノ門ヒルズに直結した日比谷線駅「虎ノ門ヒルズ駅」が誕生する(時事通信フォト/朝日航洋)

虎ノ門ヒルズに直結した日比谷線駅「虎ノ門ヒルズ駅」が誕生する(時事通信フォト/朝日航洋)

 東京メトロの改札外乗換駅はいたるところにある。他都市の地下鉄と比べ、その数は桁違いに多い。

 そして、東京メトロは虎ノ門駅ヒルズ駅の開業と同時に、改札外乗り換えの時間を30分から60分へと拡大することを発表した。

「改札外乗り換えの時間を60分に拡大することに決めたのは、お客様の利便性を向上することを目的にしているからです」と拡大の背景について話すのは、東京メトロ広報部広報課の担当者だ。

 東京メトロと歩調を合わせるように、都営地下鉄も改札外乗り換え時間を60分に拡大させる。改札外乗り換えを60分に拡大するのと同時に、東京メトロは有楽町線の銀座一丁目駅と銀座線・丸ノ内線・日比谷線の銀座駅を乗換駅に追加設定した。

 銀座一丁目駅と銀座駅は、いったん地上に出る改札外乗り換えだ。銀座一丁目駅と銀座駅が乗換駅になったことで、乗り換えの際に銀座の街に寄り道することもできるようになった。

「従来の30分から60分へと拡大したことで、駅周辺の立ち食いそば屋やファストフード店に寄って食事をすることができるほか、時間的に百貨店やコンビニに寄ってちょっとした買い物をすることが可能になりました。東京メトロは改札外乗り換えの途中で食事や買い物を推奨しているわけではありませんが、禁止しているわけでもありません。とにかく、利用者の利便性を向上するための措置です」(同)

 改札外乗り換えの時間が30分から60分に拡大したことは、虎ノ門ヒルズ駅開業だけを意識したものではない。しかし、これまで東京メトロが頑なに守ってきた改札外乗り換え30分というルールを、虎ノ門ヒルズ駅開業と同じ日に変更することを踏まえると、虎ノ門ヒルズ駅がきっかけになったことは否定できない。そこには東京メトロが虎ノ門ヒルズ駅に並々ならぬ思いを込めていることを感じさせる。

 虎ノ門ヒルズ駅の開業によって、バス・道路・鉄道といった東京の陸上交通全般は大きく変貌するだろう。そして、改札外乗り換えの有効活用という、”新しい生活様式”が生まれる可能性も秘めている。

1964年8月、全線開通して間もない地下鉄日比谷線銀座駅のホーム(時事通信フォト)

1964年8月、全線開通して間もない地下鉄日比谷線銀座駅のホーム(時事通信フォト)

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