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2020.06.05 15:00  マネーポストWEB

夏場のテイクアウトに食中毒リスク、危ない食品を見分ける方法

生魚のテイクアウトには特に注意を

 コロナ禍により営業自粛を強いられた飲食店は、テイクアウトやデリバリーに活路を求めた。本来なら食品衛生法により飲食業界の許認可はかなり細分化されていて、飲食店の営業許可だけでは店内で提供している食材や食べ物を、すべてテイクアウトに回していいわけではない。しかし、いまは緊急時のため、保健所も実質目をつむっている状態だという。そうなると、これから迎える梅雨と夏は、食中毒の急増も懸念される。

【図解】生野菜と肉の組み合わせが危ない!要注意テイクアウトの数々

 食中毒には主に「ウイルス性」と「細菌性」がある。前者は主に冬に、後者は夏に流行する。ウイルスが低温乾燥で活発になる一方、細菌は高温多湿で増殖しやすい傾向にあるからだ。代表的な細菌には、サルモネラやカンピロバクター、O157、黄色ブドウ球菌などがある。

 東京都福祉保健局によると、昨夏(7~8月)の細菌性食中毒事例は月100件以上で、前月までの5倍近くにのぼった。温度管理が難しいデリバリーの食事は特に危険で、実際に昨年8月、東京・墨田区の弁当店の仕出し弁当で86人の集団食中毒が発生している。

 具体的にはどのような食材に注意すべきか。北海道大学名誉教授の一色賢司さん(食品衛生学)が解説する。

「フルーツや刺身など、ナマ物はデリバリーの食事に向きません。特に生魚の表面には、海水に含まれる腸炎ビブリオ菌が付着しています。この菌は10℃で増殖し始め、15℃以上になると活発に活動するので、持ち帰る場合は、必ず保冷剤などで冷やしてください」

◆「生野菜の表面の菌」が肉に付いて増殖も

 女子栄養大学栄養学部教授の斉藤守弘さんは「炊き込みご飯、ピラフ、炒飯など、多くの食材が混ざっている料理は危ない」と指摘する。

「食材が増えるほど栄養素が増え、菌繁殖の温床になります。水分量の多い野菜と脂質の多い肉類では、冷めやすさが異なるので温度管理が難しい。表面は冷めていても内部に熱がある可能性があります。また、汁気が多いと細菌が繁殖しやすく、焼きそば、パスタ、うどんなど麺類も危ない」

 お弁当の付け合わせとしてよく目にするポテトサラダ、ミニトマトも食中毒リスクが高いという。

「ポテトサラダはいも自体が傷みやすいうえ、食材を混ぜた後に加熱しないので危険です。また、ミニトマトは見栄えを考えてヘタを残したまま詰めるお店がありますが、やってはいけない。ヘタに残った水滴が菌の温床になりがちです」(斉藤さん)

 食材だけではなく、その調理や盛り付けのやり方でも、リスクの高いテイクアウトのメニューを見分けることができるという。

「ご飯やおかずが温かいままで容器のふたをすると、水蒸気が発生し、水滴が内側につきます。そうした水滴は『自由水』と呼ばれ、カビや細菌が繁殖する温床になる。できたての料理が持っている『粗熱』を完全にとってからパックに詰められているか確認してください」(斉藤さん)

 生野菜とほかの食材が混ざり合ってしまうような盛り付けのメニューも要注意だ。

「生野菜の表面には菌がいるもので、野菜用洗剤で洗ってもゼロにはなりません。野菜だけなら栄養素が少ないので菌は増えませんが、ドレッシングやソースなどの汁を介して菌が肉などほかの食材に付着すると一気に増殖しかねない。おかずが一品ずつしっかり区分けされているものを選んでください」(一色さん)

◆家から10分以内で持ち帰れるところが理想的

 キッチンのスペースが足りず、客席として使うカウンターやテーブルの上で容器に詰める作業をする店も散見される。

「客席など普段調理に使っていない場所で盛り付けなどをすると、衛生管理が不充分な可能性がある」(一色さん)

 さらに、菌の増殖を防ぐためには、温度管理が欠かせない。多くの細菌は20~50℃で増えやすくなるといわれるため、なるべくその温度帯に晒さないことが求められる。食品表示アドバイザーで消費者問題研究所代表の垣田達哉さんが話す。

「夏の時期のデリバリーでは冷蔵設備のある配達車で運ぶならいいですが、自転車やバイクでは必然的に屋外の高温な場所に一定時間、置かれることになります。時間をおけばおくほど菌は繁殖するので、できれば家から10分以内で持ち帰れるところが理想的です。20分以上かかるところは避けた方がいいでしょう」

※女性セブン2020年6月11日号

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