マネー

入院費用 「出来高払い」か「包括払い」かで10万円の差も出る

入院費は払い方でも変わる

入院費は払い方でも変わる

 同じ病気で入院しても、病院により入院日数や入院費用が変わってくるが、入院費の違いは“計上方法”によっても生じる。「出来高払い」と「包括払い」の2通りがあるのだ。

 大病院を中心に2003年から導入された入院料の「包括払い(DPC)」は、病気ごとに「入院1日いくら」の診療報酬額が決められた定額制で、いわばサブスク型の制度。医療行為をした分だけ費用が発生する、従来の「出来高払い」とどちらが患者にとってメリットが大きいのか。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏がいう。

「DPCは入院1日あたりの医療費の上限が決まるので“まるめ”とも呼ばれます。入院患者に検査をするほど病院の利益が減る構造なので、過剰医療をなくすことにつながります」

『医療費のしくみ』(日本実業出版社)の著書がある、高崎健康福祉大学准教授・木村憲洋氏は同制度をこう評価する。

「入院費を一定にすることで、医療機関による“質”の競争(コストをかけずに治療実績を残す)を促す意味もあります。入院基本料や薬、検査がセットになっており、それ以外の手術や治療については出来高制になっています」

 DPCだと、出来高制に比べて患者の入院費負担が抑えられることが多い。

 例えば、「脳梗塞で手術なしの20日間入院」したケースで試算(別掲図3参照)すると、出来高払いでは入院基本料が約40万5000円(自己負担3割で12万1500円)、検査費などが約21万5000円(同6万4500円)だったのに対し、DPCでは入院基本料・検査・投薬などを合わせて約50万5000円(同15万1500円)。ざっと10万円以上の差がつく(自己負担では3万円。DPCの場合でも、患者によっては他に治療費がかかるケースもある)。

 包括払いを採用している病院は、「病院情報局」といった病院の体制を評価するサイトでも探すことができる。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。