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2020.06.10 07:00  SUUMOジャーナル

おうち時間が長いから気になる、住宅の基本性能。リフォームには特典も

(画像提供/PIXTA)

住まいづくりナビセンターが行ったアンケートによると、3人に1人が「性能向上リフォームを今後実施したい」と回答したという。アンケートの実施時期は昨年の秋なのだが、コロナ禍でステイホームが長く続いた今、住まいの性能向上リフォームの必要性を感じている人も多いのではないだろうか。詳しく説明していこう。【今週の住活トピック】
「性能向上リフォーム等に関するユーザーアンケート」結果を発表/(一財)住まいづくりナビセンター最優先でリフォームするのは不便を感じる箇所?住まいづくりナビセンターの調査は、同法人が運営する「リフォーム評価ナビ」の利用者でリフォーム検討経験のある人を対象に、リフォームの実施実態やニーズ等についてアンケートを行ったもの。この調査では、「バリアフリーリフォーム」「省エネリフォーム」「耐震リフォーム」を性能向上リフォームと定義している。いずれも、住宅の安全性や快適性に影響を及ぼす基本性能だ。

リフォームの実施実態を見ると、実際にリフォームをする内容は、その多くが住宅の老朽化対策や使い勝手の改善などだ。アンケート調査結果では、「老朽化している設備や機器の交換、グレードアップ」が最多で64.7%を占め、次いで「間取りや水まわりなど、住まいの使い勝手の改善」が42.5%を占めている。暮らしに不便を感じることで、リフォームを思い立つからだろう。

一方、性能向上リフォームの実施状況は、バリアフリーリフォームが12.5%、省エネリフォームが11.6%、耐震リフォームが7.2%で、性能向上リフォームのいずれかを行ったのは全体の25.6%だという。

実施したリフォーム内容(出典:住まいづくりナビセンター「性能向上リフォーム等に関するユーザーアンケート」調査結果より転載)

性能向上リフォームを実施しない理由は、バリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、耐震リフォームのいずれも「現在の生活に支障がなく、問題を感じなかった」が最も多く、過半数を占めている。

性能向上リフォームを実施しなかった人も、その必要性は認識一方、性能向上リフォームを実施した理由は、リフォーム内容によって少し異なり、バリアフリーリフォームと耐震リフォームでは、「住宅の性能面で、今後の生活に対する不安を感じた」が最も多いが、省エネリフォームでは、「ランニングコストの節約など、経済的メリットがあることが分かった」が最も多くなっている。また、2番目に多い理由はいずれのリフォームも同じで、「自分でリフォーム情報を収集して、必要なリフォームだと思った」だった。生活に不便があるというよりは、将来の不安解消や必要性を認識したという人が多いのが、性能向上リフォームの特徴のようだ。

性能向上リフォームを実施した理由(出典:住まいづくりナビセンター「性能向上リフォーム等に関するユーザーアンケート」調査結果より転載)

性能向上リフォームを行わなかった人に、今後の実施意向を質問したところ、バリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、耐震リフォームのいずれも「3年以内に行いたい」(1.3%)と「いずれ行いたい」(37.5%)を合わせると38.8%を占めた。やらなかったものの必要性を認識している、という人は多いのかもしれない。

ステイホームで実感するようになった?マイホームの住み心地さて、ステイホームでテレワークが進み、自宅で仕事をする日が増えた人も多いことだろう。自宅が仕事場になったことはもちろんだが、これまで以上に自宅で長い時間を過ごすこと、パートナーや子どもたちなど家族と触れ合う時間が増えたことから、これまで気づかなかった不便さや、新たに必要な機能などを感じたこともあるのではないだろうか?

仕事場を兼ねることで求められる機能として、仕事に集中できるスペースの確保と環境の整備などは、よく話題にのぼっている。が、長い時間を過ごすことで建物の断熱性やサッシまわりの省エネ性、防音性が気になったり、子どもと室内で遊ぶことで子どもにとって危険なところに気づいたりということもあるだろう。

終息に至るにはまだ時間がかかることを考えると、自宅で仕事をするテレワークが継続したり、再び緊急事態宣言が出されたりの可能性はある。今すぐリフォームに着手するのは難しいかもしれないが、安全に快適に長く過ごすためにも、マイホームの性能について見直す良いタイミングといえるだろう。

実は多い、性能向上リフォームの優遇制度巨大地震が懸念されるなか、住宅、なかでも旧耐震基準といわれる1981年5月末日以前に建てられた住宅(※)の耐震性の向上が急務になっている。また、地球温暖化などの対策として、住宅についても省エネ性能の向上が求められている。さらに、日本では高齢化が急速に進んでいることから、住宅についてもバリアフリー化が課題となっている。

つまり、ここでいう性能向上リフォームは、政策としても重要な課題となっているので、リフォームを促進するための優遇制度が多く用意されているわけだ。先ほどの調査の性能向上リフォームを実施した理由の結果でも、「補助金や税制優遇等が受けられることが分かった」が挙がっている。なお、耐震リフォームで優遇制度を理由とする比率が低いのは、旧耐震基準の住宅に限定されていることによるものだろう。

優遇制度についていくつか紹介すると、まずは「減税制度」がある。定められた性能向上リフォームをすると、所得税や固定資産税が減税される。所得税の減税については、返済期間5年以上のローンを利用した場合とローンを利用しなかった場合で、それぞれ減税制度があり、2021年までの最大控除額は次のようになる。

〇ローンを利用せずに、一定の耐震・省エネ・バリアフリーをした場合
※工事費等の10%を所得税額から控除できる特例措置※()内は省エネ改修工事と併せて、太陽光発電装置を設置する場合

〇ローンを利用して、一定の省エネ・バリアフリーをした場合
※ローン残高の一定割合を所得税額から控除できる特例措置

なお、これらの減税制度は、同居対応型リフォームをした場合、長期優良住宅の認定を受けるリフォームをした場合にも利用できる。また、ローンを利用した場合の耐震リフォームは減税対象の工事外となるが、10年以上の住宅ローンを利用して100万円以上の工事をした場合などでは、いわゆる「住宅ローン減税」(10年間にわたって住宅ローンの年末残高の1%を所得税などから控除でき、消費税率10%の工事では3年間延長可能)が利用でき、この場合は旧耐震基準に限定されない。

次に、補助金制度がある。特定の条件を満たせば、国が行う「長期優良住宅化リフォーム推進事業」や「地域型住宅グリーン化事業(省エネ改修型)」などを受けられる場合があるが、むしろバリエーションが多いのは、それぞれの自治体の補助金制度だろう。

自治体ごとにそれぞれ課題があり、独自の補助金制度を多様に設けている。とはいえ、耐震化や省エネ化はどの自治体にとっても共通の課題であるので、補助金制度を用意している自治体が多い。どういった制度があるかは、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」で検索できるので、調べてみるとよいだろう。

ただし、補助金制度の多くは、年度ごとに予算を確保して実施しているもので、2020年度の募集がすでに始まっている。予算枠を消化して受付を終了している場合もあるし、同じ補助金制度が毎年用意されているとも限らない点に注意が必要だ。

一方、バリアフリーリフォームについては、介護保険法にもとづく住宅改修費の支給もある。要介護・要支援と認定された場合に限られるが、20万円まで(一部自己負担あり)支給される。

住宅の性能を向上させることは、耐震化、あるいは高齢者や小さな子どもも動きやすいバリアフリー化による安全の確保、外の暖気や冷気を取り込みにくくして、エアコンのコスト削減もできる省エネ化など、暮らしの安全性や快適性に大きく影響する。家での日々の生活に不便さを感じないからといって、おろそかにすべきではない。在宅時間が長くなった今こそ、見直してみてはいかがだろう?

(※)6月1日より前に建築確認の通知書が発行されている住宅

(山本 久美子)

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