営業再開後もコロナ対策が続く百貨店(銀座三越/時事通信フォト)

営業再開後もコロナ対策が続く百貨店(銀座三越/時事通信フォト)

 三越伊勢丹やルミネも「夏のバーゲン」という告知をしない方針のようです。三越伊勢丹では例年より早い6月9日からセールを始めていますが、オンラインストアでの販売からスタートさせ、実店舗に入る婦人服などのテナントは、順次セール品を並べる予定です。また、ルミネは夏の全館セールを休止し、7月1日~31日に各ショップが任意でセールできる形式に変えました。

 他の商業施設も同様のようで、いつもなら6月からお得意様向けのプレセールが始まるのですが、やはり告知はほとんどなく、“静かなセール”となっています。

 これを機に、夏のセールを見直そうという意見もあります。夏のセールも冬のセールも本格的な暑さ、寒さが始まる前に行われるようになって20年前後が経過しています。夏のセールは7月1日前後から、冬のセールは正月三が日から、というのがすっかり定着していますが、7月1日はまだ梅雨で本格的な暑さは到来していません。冬の寒さも正月明けからというのが今の気候です。ですから、季節感に合わない洋服が安売りされるセールが続いてきたのです。

 振り返れば、1980年代バブル前後のDCブーム最盛期は、7月下旬から夏バーゲンがスタートしていました。夏休み開始とほぼ同時期で高校生・大学生が開店前から行列を作っていたのを思い出します。さらに以前の夏バーゲンは8月開始だったのです。冬のバーゲンも同様で35年ほど前は1月下旬スタート、その前は2月スタートだったのが、年々開催時期が早まってきて今に至っています。

 夏のセールを大々的に告知しにくい今年の状況を逆手に取って、「セール開催時期を本来の7月下旬や8月に遅らせてみてはどうか」という意見が識者やメディアから出ています。個人的にもそれが理想だと思っていますが、いざ実行に移すのは難しい面があるのも理解できます。

 なぜなら、コロナ休業が追い打ちをかけてアパレル企業が次々と経営破綻しているからです。後ろ倒しにすればするほど経営体力のないアパレルは持ちません。その代表はレナウンでしょう。

 コロナショック以前にすでに経営が傾いていたアパレルは、今回の2か月間の店舗休業で在庫消化ができず、現金収入がなかったために資金繰りが悪化。次々とトドメを刺されています。ようやく営業が再開されたといっても、もともと体力のなかったアパレル企業の破綻は今後も続くでしょう。すでに、「そこそこ著名な某社もコロナショックで秋に会社清算をすることを決めた」という噂も耳に入ってきています。

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