焼いた肉に含まれるAGEは老化の要因に(イメージ)

◆クエン酸とポリフェノールで糖化を防ぐ

 最近は、「糖化」という現象が注目され始めている。糖化とは、食事で摂取した炭水化物に含まれるブドウ糖などの糖質が体内の脂肪やたんぱく質と結合する現象のこと。この糖化によって、皮膚や血管に「AGE(終末糖化産物)」と呼ばれる物質ができる。この仕組みは、肉や魚をこんがり色づくまで焼いたときに起きる現象と同じ。つまり、体が「コゲる」ことが、老化の最大の原因なのだ。

 AGE研究の第一人者で、AGE牧田クリニックの糖尿病専門医の牧田善二さんが解説する。

「AGEができ、体が糖化すると、全身に炎症が起こる。皮膚が硬くなり、肌のしわ、シミ、たるみなどの老化現象につながります。同時に血管も硬くなるため、心筋梗塞や糖尿病、脳梗塞、高血圧症といった多数の生活習慣病のリスクが上がることもわかっています」

「糖化」によって生じるAGEが“悪さ”をするのであれば、「抗酸化」ならぬ「抗糖化」を意識した食事をすればいい。体が「コゲた」状態を避けるためには、当然ながら、「コゲた」ものを食べるのはご法度だ。

「焼いた肉や魚などにもAGEは含まれるため、なるべく摂取量を減らすように工夫しましょう。高温で加熱した食品に特に多いので、ベーコンやフライドポテトなど、焼いたり揚げたりする食べ物は避けてください。糖化というくらいなので、炭水化物や甘いものなどの糖質もできるだけ減らしましょう」(牧田さん・以下同)

 フライドポテトやポテトチップスは、AGEのなかでも超悪玉の「アクリルアミド」という物質を多量に含んでおり、発がん性も非常に高いとされている。これはじゃがいもなどの糖質を焼いたり揚げたりすると特に多く発生するといわれている。

 魚や豆腐など、生で食べられる食材は、刺身や冷奴など、できる限り生のまま食べるようにすること。生食に適さないものは、しゃぶしゃぶや蒸し鶏など、「ゆでる」「蒸す」「煮る」といった、低温でじっくり加熱する調理法を選べばいい。

「どうしても焼いた肉や魚が食べたいなら、味つけにレモンやすだち、酢を使うといいでしょう。すっぱい食材に含まれるクエン酸には、AGEを抑制する作用があります」

 そして、抗酸化・抗糖化、抗AGEの作用を持つ栄養素を積極的に摂取すること。豚肉、うなぎ、たらこなどに多いビタミンB1。牛や鶏のレバー、かき、さんま、あさりなどに多いビタミンB6。そして、効果的にAGEを抑え、若返り効果もあると注目されているポリフェノールだ。これらは赤ワインや緑茶、チョコレートなどに多く含まれている。

 緑黄色野菜に含まれる「α-リポ酸」も、高い抗AGE作用がある。α-リポ酸は筋トレなどの運動によって体内でも作られるが、加齢とともに減少してしまうため、食事で補うことが不可欠だ。

「顔の老け」に恐ろしい病が隠されているかも

 昨今、抗AGE作用があるとして注目されている栄養素に、「カルノシン」がある。筋肉や脳に多く存在しており、鶏肉、かつお、まぐろ、うなぎなどから摂取できる。

「カルノシンは、主に動物の体内で合成されるもので、鶏のほか、渡り鳥や馬など、高い瞬発力や持久力を必要とする動物に特に多い。何千kmも飛んだり走ったりするためのエネルギーを作り出すといわれており、これを摂ることで、疲れにくくなったり、筋力が増えたりする。そのカルノシンに、非常に強い抗AGE作用があることがわかったのです」

 いずれも、1回の食事で多量に摂取するのではなく、毎日継続して摂ることが大切だ。

※女性セブン2020年6月25日号

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