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収入激減で親に助けを… 行き場を失った貧困芸人たちの悲哀

頼みの綱だったライブもなくなり…(イメージ)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響は、様々な職業に及んでいるが、それは「お笑い芸人」たちの生活も直撃している。ブレイクする日を夢見て、爪に火を灯しながらアルバイトと掛け持ち生活をしている若手芸人も少なくないが、彼らの生活もコロナで一変しているという。

 テレビでよく見る売れている芸人など一部を除き、多くの芸人はライブを中心として活動している。ライブの出演料は1回500~3000円程度だが、まだブレイク前の芸人たちにとっては貴重な生活の糧であり、活動の拠点でもあった。しかし、3月から徐々にライブが減り始め、4月に緊急事態宣言が出されてからは、ライブを開催すること自体できなくなった。その状況が6月に入った今も続いている。芸歴8年目の芸人Aさん(20代男性)が語る。

「僕は月に20本くらいライブに出ていました。大体ライブ出演料として月に4万円くらいの収入があったのですが、4月、5月は0円になってしまいました。おそらく6月も同じだと思います。やることがまったくなくなってしまったので、YouTubeを始めたりインスタライブを始めたりしています。僕の周りでも始めている芸人が多いです。あとは、自分の書いた記事を販売できる『note』も始めました。まだ収益は微々たるものですが、何もやらないよりかはマシかと思ってやっています」

 ライブができず行き場を失った芸人たちは、どうにかして稼ぐ方法を探し求めている。だが、ずっと続けてきたバイトにもコロナは暗い影を落としている。Aさんが続ける。

「僕は芸人活動以外に居酒屋でバイトをしていたのですが、その店も休業になってしまい、そのまま閉店してしまいました。休業中にいくらか補償はもらったのですが、完全に収入源を絶たれてしまいました。今は貯金で何とかやりくりしていますが、今回ばかりは両親に助けを求めようかと考えています……」(Aさん)

 生活の面でも出費を抑える工夫を始めたという。

「今までは外食とかコンビニの弁当で食事を済ませていたのですが、これを機に自炊を始めました。といっても今までまったく料理をやってこなかったので、もやしをコショウで炒めるだけとか、特売で買った卵を使った簡単な料理とかに挑戦しています。スーパーの食材コーナーに行くようになって初めて知ったのですが、納豆や豆腐ってこんなにも安く売っているんですね。あと、今まではライブやバイト先で毎日誰かしらとは話をしていたのですが、最近では1週間誰とも話してないなってことがよくあります。一人暮らしの寂しさに気づきました」(Aさん)

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