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ほぼ無観客だったパ球場、社員動員で500人や七輪で焼肉も

江本氏は東映と南海に在籍した

 3か月遅れの開幕となったプロ野球。交流戦やオールスターがなく、同一カード6連戦が続くなど、異例ずくめのペナントレースがいよいよ始まる。

 なかでも最大の影響を与えそうなのが、「無観客試合」だ。そんな“景色”が、過去のプロ野球に存在した。

「無観客と聞いて思い出すのが、1970年代のパ・リーグです」と語るのは、1971年に東映フライヤーズに入団し、翌年南海ホークスに移籍した江本孟紀氏(72)だ。

 江本氏は南海の本拠地・大阪球場で、“ほぼ無観客”という試合を何度も経験した。

「大阪球場が満員になったのは春の巨人とのオープン戦と、夏の西城秀樹のコンサートだけでした。当時のパ・リーグはどの球場でも閑古鳥が鳴いていた。オールスターに選ばれて満員の球場に行くと、アガってストライクが入らなくなるピッチャーがいたほどです」(江本氏)

 1950年代から1970年代に、阪急ブレーブスなどで歴代2位となる350勝を挙げた米田哲也氏(82)も当時を振り返る。

「誰も座っていないネット裏の年間指定席も観客動員数に加えるのが常識だった。実際にはスタンドには500人くらいしかいなかった。阪急が社員を動員してもその程度で、スタンドのファンの会話がプレー中の選手にも聞こえたくらいです」

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