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2020.06.24 07:00  マネーポストWEB

実体経済と乖離した株高は「コロナ・バブル」と呼べるのか?

NASDAQ総合指数が最高値を更新するなど世界的株高の背景は(AFP=時事)

 新型コロナウイルスの世界的な収束が未だ見通せず、企業業績の先行きも不透明な一方で、6月に入ると米ニューヨークダウが2万6000ドル台を回復し、NASDAQ(ナスダック)総合指数が最高値を更新、日経平均株価も3月の安値から一時7000円近くも上昇するなど、実体経済とかけ離れたような株高も目立っている。はたしてこれは「コロナ・バブル」なのか。カブ知恵代表の藤井英敏氏が分析する。

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 実体経済と乖離した株価上昇を「バブル」と指摘する向きもあるが、市場を取り巻く環境を見ると、まだバブルは始まっていない。むしろバブルはこれから起きると考えたほうがいいのではないか。

 なにしろ各国政府・中央銀行は、金融危機の再来は絶対に阻止しようという姿勢を見せており、企業業績の苦境が伝えられるなかであっても、世界の金融機能は正常に動いている。積極的な財政出動と金融緩和によって、実体経済を引き上げて失業率を押し下げようとしているのだ。

 その一方で、政府が大量の国債を発行してでも財政出動することで、将来的な財政不安を懸念する声もあるが、よく考えてみてほしい。この先どれだけ国の借金が膨らもうとも、コロナ対策として経済活動を止めたことによる“人為的な不況”の穴埋めにつぎ込まれる以上、政府の負債が増えても、民間の資産が増えることでバランスは保たれるだろう。

 そもそもバブルとは、人々がありもしない実体に群がって発生するものだが、コロナ禍で苦境にあえぐ多くの人々がいま大量に株式市場に群がっているわけではない。むしろバブルを警戒するなら、これからだろう。

 米国の大手ネット証券で新規口座開設数が2倍以上に伸びたほか、日本でもネット証券の口座数が急増するなど賑わいを見せ始めている。10万円の特別定額給付金を株につぎ込もうとしている個人投資家もいると聞く。市場の熱狂はこれから始まろうとしているのではないか。

 そう考えていくと、日経平均は今年1月につけた2万4000円の高値更新はもちろん、2万5000円台も通過点にすぎないような上昇を見せるかもしれない。

 もっといえば、今後の株価上昇は、いくらになるかという水準に目を奪われるよりも、金融緩和がもたらした「金融相場」である以上、各国政府・中央銀行のスタンスにこそ注目すべきだろう。この先、各国の政府が積極財政から緊縮財政、中央銀行が金融緩和から金融引き締めに転じれば、相場は終わりを迎える。その直前が、まさに「バブル」のピークとなるだろう。

 今後のバブルを見越すと、下値のメドはあまり考えなくてもよいように思えるかもしれないが、そうではない。このまま各国の積極財政と金融緩和が続けば、下値は堅いかもしれないが、突発的なリスクによる下振れも予想される。たとえば北朝鮮と韓国の軍事衝突が本格化したり、米トランプ大統領が何か不穏当な発言したりすれば、すぐに日経平均が2万円割れとなってもおかしくない。ただ、政府・中央銀行が“仕手筋の本尊”である以上、株価が下がったところで押し目買いする選択肢もあるかもしれない。

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